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空き家の売却方法は3つ!売却方法の選び方と適用可能な特例を解説

相続などで空き家を取得したとき、処分方法のひとつとして売却を検討できます。
しかし「どうやって売ればいいのか」「そもそも売れる家なのか」など、慣れない売却では疑問が付き物でしょう。

そこでこの記事では、空き家の3つの売却方法と売り方を選ぶ基準、売却時に節税できる特例を紹介していきます。

遠鉄の不動産・浜松北ブロック長 影山 裕紀(かげやま ひろき)


宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、3級ファイナンシャル・プランニング技能士、ITパスポート

空き家の売却方法は3つ

空き家 売却

空き家の売却方法は以下の3つです。

  • 古家付土地・中古住宅として建物付きで売却する
  • 更地として売却する
  • 不動産会社による買取で売却する

それぞれの特徴を見てみましょう。

古家付土地・中古住宅として売却

古家付土地・中古住宅として売却するのであれば、建物を残したまま売ることになります。
この場合のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット

  • 建物を取り壊す手間と費用がかからない
  • 建物に価値がつくことがある

デメリット

  • 建物の状態が悪いと売れにくい
  • 瑕疵担保責任を負う場合がある

更地として売却

空き家を取り壊し、住宅地としての売却も可能です。
更地にする場合のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット

  • 多くの人に購入を検討してもらえる
  • 古家付土地より高く売れることがある

デメリット

  • 取り壊しに費用がかかる
  • 土地によっては取り壊しても再建築できないことがある

不動産会社による買取で売却

不動産の売却では、仲介の不動産会社を経由した個人間取引だけでなく、不動産会社の買取サービスも利用できます。
この場合、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 査定から現金化までが早い
  • 空き家や残置物がある状態でも買い取ってくれる

デメリット

  • 不動産会社を介した個人間取引より売却価格は安い
  • 土地の状況によっては買取を断られる

空き家の売却方法の選び方

空き家 売却

空き家の売却を検討する場合、前述の3つの売却方法のうち、どれを選べばよいのでしょうか。

住宅の需要が見込めれば中古住宅として売却

住宅としての価値があり、需要も見込める空き家は中古住宅として売却しましょう。
「家として引き続き住める」「リフォームすれば居住用として十分使える」など状態がよければ、土地単独よりも高値が付く可能性もあります。

ただし建物には、構造ごとに税法上の「法定耐用年数」が設けられています。
耐用年数が超過した建物は住宅ローンの審査に通りにくいため、築年数の浅い物件と比較すると買い手は少なくなるでしょう。

しかし立地条件や建物の状態次第では、購入希望者が現れる可能性は十分あります。
まずは不動産会社に相談して、売却の見込みを聞いてみましょう。

中古住宅として売却が難しい場合は古家付土地として売却

「建物の状態がよくない」「中古戸建ての需要が低い」など、中古住宅としての売却が難しければ古家付土地として売却を検討してみましょう。

古家付土地とは、その名のとおり古い建物が残っている土地です。
中古住宅と異なるのは、建物が土地の残置物として扱われる点です。

買主に取り壊してもらうことを前提として売却するため、マイナスポイントとして建物の存在が売却価格に反映されています。
反面、住宅地として売却するので、中古住宅より売れやすくなるケースもあります。

家屋の劣化が激しいなら更地として売却

取り壊しの資金を捻出できるのであれば、更地にして売却できます。
空き家に不動産としての価値がほとんどない場合、古家付土地としての売却も可能ですが、取り壊し費用を買主が負担するため、敬遠されるケースも少なくありません。

更地にすると、購入後に取り壊す手間がかからないため需要が伸びやすく、購入希望者も増えます。
売却価格も古家付土地より高くなる可能性が高いでしょう。

短期間で費用をかけずに売りたいなら買取

現金化を急ぐのであれば、不動産会社の買取サービスの利用が適しています。
買い手を探す期間が存在しない分、不動産会社経由の個人間売買と比べて短期間で売却可能です。
ただし、売却価格は仲介による売却よりも下がるケースが一般的です。

空き家の売却で適用できる特例とは?

空き家 売却

通常不動産の売却で得た譲渡所得には、金額に応じて税金の支払いが必要です。
しかし、個人の居住用不動産の売却に関しては、税額を軽減できるさまざまな特例が用意されています。

相続や遺贈によって空き家を売却した場合、一定の条件を満たすことで譲渡所得のうち最大3,000万円が非課税になる特例が存在します。

3,000万円控除の特例を受けるには、事前に市区町村に申請して「被相続人居住用家屋等確認書」の発行を受け、期限までに確定申告を行うことが必要です。
申告に必要な準備は少々煩雑なため、書類や手続きに漏れのないよう注意しましょう。
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空き家 3000万円控除

空き家売却の流れ

空き家 売却

前述の特例を利用するには「相続や遺贈の開始から3年目の12月31日まで」に売却を終えなければなりません。
期限が迫っているときに売却する場合、タイムリミットを意識しましょう。

空き家を売却する場合、手続きはどのように進み、どの程度期間が必要なのでしょうか。
仲介と買取、それぞれのパターンを見てみましょう。

仲介による売却の流れ

仲介を利用する場合、おおまかな売却の流れは以下のとおりです。

  1. 不動産会社の査定を受けて売却価格の目安を知る
  2. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  3. 不動産会社が売却活動を行い買主を探す
  4. 買主と売買契約を締結
  5. 買主に物件の引渡しおよび代金の授受を行う

売却にかかる期間は空き家の状況や価格、売却時の不動産需要などによって異なりますが、3か月から半年ほどかかることが一般的です。

買取りによる売却の流れ

不動産会社の買取サービスを利用する場合の流れは以下のとおりです。

  1. 不動産会社の査定を受ける
  2. 買取会社の比較・選定
  3. 売買契約を結ぶ
  4. 物件の引渡しおよび代金の受け取り

買取では売却活動が必要ないため、仲介と比較して大幅な期間短縮が可能です。
査定から現金化までは、おおむね1か月程度です。

まとめ

空き家の売却方法はいくつかのパターンがあります。
空き家の状態や売主を取り巻く状況に応じて適した売却方法が異なるため、不動産会社に相談してみましょう

空き家の売却では、譲渡所得が3,000万円まで非課税になる特例が利用できます。
特例を利用する場合はタイムリミットが存在するため、期限を意識した売却が重要です。
買取と仲介は売却にかかる時間も異なるため、この点も加味して売却先を検討するとよいでしょう。
(執筆者:いちはらまきを)

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