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【2022年最新】中古マンション価格の推移をわかりやすく解説!

中古マンションの価格は、常に一定ではなく需要と供給のバランスに応じて細かく変動しています。
マンションを高値で売却できそうなタイミングを考えるためには、マンション価格の推移を確認することが大切です。

本記事では、中古マンション価格の推移やその要因をわかりやすく解説します。

遠鉄の不動産・浜松北ブロック長 影山 裕紀(かげやま ひろき)


宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、3級ファイナンシャル・プランニング技能士、ITパスポート

2021年における中古マンション価格の推移

中古マンション 価格 推移

最初に2021年における中古マンションの価格推移について解説します。

地価は下落傾向

2021年の公示地価は、住宅地と商業地のどちらも下落しています。
公示地価が下落するのは、住宅地については5年ぶり、商業地については7年ぶりです。

また東京や大阪、名古屋の三大都市圏においても、住宅地と商業地の両方で地価が下落しました。

ただし全国の地価が下落したわけではなく、千葉県や福岡県など一部の自治体では、住宅地と商業地の両方で地価が上昇しています。

中古マンションの価格は引き続き上昇傾向

中古マンションの価格は、前年と比較して上昇しています。

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の調査によると、2021年1〜3月および4〜6月における中古マンション価格は、以下のとおりです。

2021年1〜3月

2021年4〜6月

  • ㎡単価:59.04万円/㎡(前年同期比+12.5%)
  • 価格:3,837万円(前年同期比+13.2%)
    ※出典:東日本不動産流通機構

引き続き新型コロナウイルス感染症の影響下にあるにもかかわらず、2021年の中古マンション価格は、㎡単価と価格の両方で前年同期比を上回る結果となっています。

前年2020年の1〜3月および4〜6月は、新型コロナウイルス感染症の影響により、中古マンションの成約件数が2019年よりも大幅に低下しました。
その一方で2020年の㎡単価と価格は、2019年と比較してほぼ横ばいでした。

中古マンション価格が上昇する原因

中古マンションの価格が上昇したのは、以下3点により需要が増加したためであると考えられます。

  • 新築マンション価格が高騰している
  • 低水準な住宅ローン金利
  • 住宅ローン控除の特例措置

新築マンション価格が高騰している

不動産経済研究所の調査によると、2021年上半期における首都圏の新築マンションの平均価格は6,414万円であり、1990年代のバブル期並みの水準となっています。
2010年度における首都圏の新築マンション価格は、平均4,716万円であったため、約10年間で新築マンション価格は36%も上昇しています。
※出典:不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向

一方で国税庁調査によると、給与を得て働いている人の平均給与は、2010年が412万円、2019年が436万円と約5%しか増えていません。
※出典:国税庁「民間給与実態統計調査

価格が高騰している反面、平均給与は増えていないため、新築マンションの購入が難しくなり中古マンションの購入を検討する人が増えたと考えられます。

低水準な住宅ローン金利

2021年10月現在、日本の住宅ローン金利は「変動金利」がおおむね0.4%台「全期間固定金利」は1%強と戦後最低の値となっています。

住宅ローン金利が下がると、毎月の返済額や利息総額が減ります。
また住宅ローン金利が下がったことにより、頭金を準備せずにフルローンを組んでマイホームを購入する人も増えてきました。

金利が低下し住宅ローンを組みやすくなったため、中古マンションの購入を検討する人が増えたと考えられます。

住宅ローン控除の特例措置

住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んでマイホームを購入した人が受けられる税の優遇措置です。
年末時点における住宅ローン借入残高の1%分の減税を、最長10年にわたって受けられます。

住宅ローン控除には、所定の要件を満たすと控除期間が最長13年に延長される特例措置が実施されています。

特例措置によって還付される税額が増加し、マイホームを取得する際のコストが抑えられたことも、中古マンションの需要が増加した要因といえるでしょう。

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2020年までの中古マンション価格はどのように推移した?

中古マンション 価格 推移

マンション価格は、新築・中古ともにバブルの崩壊後に下落しはじめましたが、2003年ごろに不動産ミニバブルが起こり上昇に転じています。

しかし2008年に発生した「リーマンショック」の影響により、中古マンションの価格は2010年ごろから下落しはじめました。

その後2013年ごろからは、アベノミクスやマイナス金利政策、東京オリンピックの開催などの要因が重なり中古マンション価格は上昇しはじめます。

特に東京オリンピックの開催が近づく2018年ごろから、東京都を中心に中古マンション価格は高騰をはじめました。

2020年の東日本レインズの調査によると、首都圏における中古マンションの価格は、成約物件㎡単価と成約価格の両方が8年連続で上昇しています。
特に成約物件㎡単価は、8年間で44.5%上昇しました。
※出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)

2022年以降の中古マンション価格はどう推移する?

中古マンション 価格 推移

今後、中古マンション価格はどのように推移するのでしょうか?
2022年以降の中古マンション価格を考察します。

2022年に土地価格が下落する可能性がある

2022年は、マンションを建設できる土地が増加することで土地価格が下落するという予想があります。

マンションを建設可能な土地が増加するのは、1992年に制定された「生産緑地法」による制限が2022年から順次解除されていくためです。

生産緑地法が制定されたことで、所有する土地が所定の要件を満たし、自治体から「生産緑地」に指定されると、固定資産税や相続税などが優遇されます。
ただし生産緑地は、土地の所有者が死亡するか指定された日から30年経過するまで売却できず、農業を営むためにしか利用できません。

2022年は、生産緑地法が制定された1992年から30年が経過するため、生産緑地に指定されていた土地を売却する人が現れると考えられます。

その結果、マンションを建設できる土地の供給が増えて、地価が下落する可能性があるといわれているのです。

中古マンション価格が大幅に低下する可能性は低い

土地が市場に出回り多くの新築マンションが建てられると、周辺の中古マンション価格は少なからず下落するでしょう。

一方で生産緑地の指定を解除された土地が、一斉に売り出されないよう「税の優遇期間の延長」「生産緑地の建築規制の緩和」など、国はさまざまな対策を検討中です。

そのため生産緑地の指定を解除された土地が大量に売りに出されて、中古マンションの価格が暴落する可能性は低いと考えられます。

中古マンションの売りどきはいつ?

結論をいえば、2021年は中古マンションの売りどきである可能性が高いでしょう。
理由は、以下のとおりです。

  • 中古マンションが供給不足の状態
  • 住宅ローン金利は史上最低の水準
  • 2022年には中古マンションの価格が下落する可能性がある

2021年は中古マンションの市況が好調であり、平均価格が上昇傾向にあります。
一方で2022年以降は、生産緑地の制限を解除された土地が市場に出回って、少なからず中古マンションの価格が下落するかもしれません。

よって中古マンションをもっとも高値で売却できる見込みがあるのは、2021年であると予想できます。

マンションを売却するときに確認すべきポイント

中古マンション 価格 推移

マンションを売却すると、売却益(譲渡所得)に税金が課せられる可能性があります。
譲渡所得に対して課せられる税金の税率は、以下のとおりです。

  • 5年以下(短期譲渡所得):39.63%(所得税率30.63%+住民税率9%)
  • 5年超(長期譲渡所得):20.315%(所得税率15.315%+住民税率5%)

※2037年(令和19年)までは、所得税額の2.1%が復興特別所得税として徴収されます。上記は、復興特別所得税を合算した税率です。

マンションの所有期間が5年以下のときに売却すると、譲渡所得に対して課せられる税金が増えてしまいます。

一方でマイホームを売却する場合、所定の要件を満たして「居住用財産の3000万円の特別控除」を適用できると、3000万円までの譲渡所得が非課税となります。

マンションを売却して少しでも多くの利益を得たいのであれば、譲渡所得に対して課せられる税金の額を確認することが大切です。

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【まとめ】中古マンションの価格は高値で推移している

中古マンションの価格は、アベノミクスやマイナス金利政策、東京オリンピックなどの要因で上昇してきました。

一方で2022年には、生産緑地の指定が外れた土地が売りに出され、中古マンション価格が下落するかもしれません。

とはいえ不動産の価格はさまざまな要因で変動するため、正確な予測は困難です。
マンションの売却を検討している方は、売却実績が豊富な不動産会社の担当者に売却するタイミングを相談すると良いでしょう。
(執筆者:品木 彰)

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