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中古住宅の購入には消費税がかからない?売主によって異なる理由を解説

  • 2020.08.28
  • 2023.10.16
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一般的に新築住宅を購入すると消費税がかかりますが「中古住宅は消費税がかからない」という話を耳にしたことはありませんか?
家の売買は高額なため、消費税も大きな負担となります。

この記事では「中古住宅の購入に消費税はかからない?」「消費税が発生するケースはあるの?」といった疑問について解説します。

遠鉄の不動産・中遠売買ブロック長 岸本 圭祐(きしもと けいすけ)


宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、カラーコーディネーター、ファイナンシャルプランナー3級

中古住宅と消費税について

新築住宅の購入では発生する消費税が、中古住宅ではかからないというのは本当でしょうか?

実は中古住宅の売買では「消費税がかからない場合」と「かかる場合」があります。
これは売主の違いによるものです。
中古住宅の売主が不動産会社か個人かによって課税の有無が変わります。

中古でも新築でも土地は非課税

まずは不動産の課税対象について解説します。
中古・新築を問わず、不動産売買において土地には消費税がかかりません。
土地は建物のように消費されるものではなく、譲渡の際は「資産の移転」と考えられているためです。

国が定める非課税となる取引の概要には「消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないもの」と記載されています。
「国税庁HP参照」

次に消費税の有無にかかわる「売主」の違いについてみていきましょう。

【売主が個人】建物には消費税がかからない

売主が個人の場合は、建物に消費税はかかりません。
消費税の課税対象は「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等及び外国貨物の引取り」と国によって定められているためです。
「国税庁HP参照」

中古住宅の販売は、一般的に不動産会社や仲介業者がおこないます。
しかし不動産会社は「仲介」の立場であり、実際の売主は個人というケースが多いのです。
売主が個人の場合「事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡」に当てはまらないため、消費税はかかりません。

【売主が不動産会社】建物には消費税がかかる

売主が不動産会社の場合は、建物に消費税がかかります。
会社が事業としてサービスを提供していることから、国が定める「事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡」に該当するためです。

不動産会社が中古住宅を買取り、リノベーションやリフォーム後に売り出す、いわゆる再販物件の「売主」は不動産会社です。
リノベーション物件やリフォーム物件は「手頃な価格で好立地の物件が見つかりやすい」と近年人気上昇中です。

ここまでの解説をもとに、消費税がかかるものとかからないものをまとめると、以下の通りとなります。

売主が個人 売主が事業者(不動産会社など)
建物 非課税 課税の対象
土地 非課税

中古住宅の売主の確認方法

中古住宅の売主を確認するためには、物件情報の「取引態様」という項目をチェックしましょう。

不動産取引には「売主・貸主・代理・媒介(仲介)」の4つの形態があります。
不動産会社や仲介業者が家を売買・賃貸などするときは、どのような立場で取引に関わるのか明示しなければなりません。

「貸主」は賃貸取引です。中古住宅販売に関わるのは「売主」「代理」「媒介(仲介)」の3つです。

取引態様が「売主」の場合は、不動産会社が売主のため消費税がかかります。

「代理」「媒介(仲介)」については、売主が会社と個人いずれの可能性もあります。
「媒介(仲介)」の場合、一般的には個人が売主であることが多いでしょう。
しかし、不動産会社が他の事業者から販売を依頼されているケースもあります。
この場合は、仲介でも売主は個人ではないため消費税がかかります。

代理や媒介(仲介)で気になる物件があれば、売主についても不動産会社に問い合わせてみましょう。

中古住宅購入時にかかる消費税

中古住宅購入の際は、物件代金のほかに諸費用がかかります。
諸費用のなかにも消費税がかかるものとかからないものがあり、その内訳は次のとおりです。

【中古住宅購入の諸費用内訳】

(〇:消費税がかかる ×:消費税がかからない)

諸費用 内訳 消費税の有無
物件にかかる諸費用 仲介手数料
司法書士報酬
売買契約書の印紙代 ×
住宅ローンにかかる諸費用 金銭消費貸借契約書の印紙代 ×
ローン保証料 ×
融資事務手数料
登録免許税 ×
火災保険料・地震保険料 ×
団体信用生命保険料 ×
中古住宅購入後にかかる諸費用 リフォーム費用
引っ越し費用

上記以外にも、不動産を取得すると「不動産取得税」という地方税が課せられます。
固定資産税や、管理費・修繕積立金の清算が必要なケースもあります。

ここでは、物件の購入や住宅ローンの借り入れにかかる諸費用のうち、消費税が発生するものについて詳しく解説します。

仲介手数料

仲介手数料は、仲介を依頼した不動産会社に対して支払う手数料のことです。

不動産会社は、宅地建物取引業法で定められる上限額を超えない範囲で仲介手数料の金額を自由に決めることができます。

上限額の計算方法は、以下の通りです。

不動産の売却価格 仲介手数料の上限
200万円以下の部分 売却額の5%+消費税
200万円を超え400万円以下の部分 売却額の4%+消費税
400万円を超える部分 売却額の3%+消費税

中古住宅の価格は、400万円を超えるケースが多いため仲介手数料を求めるときは「物件価格×3%+6万円(税別)という速算式を用いるのが一般的です。

例えば物件価格が3,000万円である場合、仲介手数料の上限額は「3,000万円×3%+6万円=96万円(税抜)」となります。
消費税を含めると、105万6,000円(税込)となります。

仲介手数料は、中古住宅を購入するときの諸費用の中でも、とくに高額になりやすい費用です。
購入時の資金計画を立てる際は、不動産会社の仲介手数料がいくらなのかを、よく確認しておきましょう。

司法書士報酬

司法書士報酬とは、不動産登記を依頼する司法書士に支払う手数料のことです。

中古住宅を取得した場合、所有権移転登記をして土地と建物の所有者の名義を変更しなければなりません。

住宅ローンを組んだ場合は、抵当権設定登記も必要です。
抵当権とは、住宅ローンを契約している人が返済を長期にわたって滞ったときに、金融機関が担保となっている不動産を差し押さえられる権利のことです。

所有権移転登記や抵当権設定登記はご自身でも手続きできますが、不動産や法律などの専門知識が求められるため、司法書士に依頼するのが一般的です。

司法書士に支払う報酬は、5万〜10万円が相場であり、この費用には消費税がかかります。
物件の引渡し日当日に残代金を決済するとき、登記時にかかる税金(登録免許税)と合わせて司法書士報酬を支払います。

融資事務手数料

住宅ローンを組んで中古住宅を購入する場合、金融機関に融資事務手数料を支払う必要があり、この費用には消費税がかかります。

融資事務手数料は、大きく以下の2種類があります。

  • 定額型:借入金額にかかわらず一律の金額を支払うタイプ
  • 定率型:借入金額に所定の手数料率をかけて金額を算出するタイプ

定率型の場合、住宅ローンの借入金額が高くなればなるほど、融資事務手数料の金額も増えていきます。
また、融資事務手数料が3万円や5万円などの定額である金融機関は、ローン保証料が高額な傾向にあります。

住宅ローンを借り入れる金融機関を選ぶ際は、金利の値だけでなく融資事務手数料の金額や決まり方もよく比較することが重要です。

▼中古住宅購入の諸費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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中古マンション購入時の消費税は?

中古マンションの購入時の消費税についても、基本的な考え方は中古の戸建て住宅と同じです。

まず売主が誰であるかにかかわらず、土地部分の購入代金は非課税です。
売主が個人であれば、建物部分の購入代金にも消費税はかかりません。
一方、売主が不動産会社である中古マンションを購入する場合は、建物部分の購入代金に消費税がかかります。

また、中古マンションを購入する際は、マンションの管理費や修繕積立金の精算金が発生しますが、これらの費用には消費税はかかりません。

中古住宅購入時に利用できる減税制度

中古住宅の購入時に利用できる減税制度には「住宅ローン控除」が挙げられます。
ここでは住宅ローン控除の基本的な制度内容を解説します。

住宅ローン控除(住宅ローン減税)

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用したマイホームの取得やリフォームに対して適用される減税制度です。

所定の要件を満たすと「年末時点の借入残高×控除率」が所得税から控除されます。
取得した住宅に入居するタイミングが2022年1月〜2025年末までである場合、控除率は0.7%です。

例えば、年末時点の借入残高が3,000万円であった場合、所得税から控除される金額は最大21万円です。
所得税から控除した余りについては、一定金額を限度として住民税から控除することができます。

住宅ローン控除を受けられる期間は、以下の通りです。

  • 買取再販の中古住宅(要件を満たすもの)・新築住宅:13年
  • 中古住宅(既存住宅):10年

住宅ローン控除を受けるためには、所定の要件を満たしたうえで、確定申告をして申請をしなければなりません。

▼住宅ローン控除について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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リフォームでも住宅ローン控除の対象になる場合がある

住宅ローンを利用して自宅を増改築した場合も、所定の要件を満たせば住宅ローン控除の対象となります。

リフォームをした自宅に入居するタイミングが、2022年1月から2025年12月31日までである場合、控除率や控除期間、控除の対象となる借入額(控除対象限度額)は次の通りです。

  • 控除率:0.7%
  • 控除期間:10年間
  • 控除対象限度額:2,000万円

控除率や控除期間は、中古住宅(既存住宅)を取得したときと同様です。
控除対象限度額は、一律2,000万円となります。

また、バリアフリー改修工事や省エネ改修工事などを含む増改築をしたときは、要件に該当すると「住宅特定改修特別税額控除」を受けることも可能です。

住宅特定回収特別税額控除を適用できると、改修工事をした年分の所得税から一定金額を控除することができます。

ただし、住宅ローン控除と住宅特定改修特別税額控除は、どちらか一方しか選択できません。
最寄りの税務署やリフォーム会社などに相談し、より高い節税効果が得られる控除制度を選ぶと良いでしょう。

まとめ

中古・新築にかかわらず土地は非課税です。
一方、建物にかかる消費税は、売主が「個人」「不動産会社」のどちらであるかによって変わります。

売主が個人の場合は建物も非課税ですが、不動産会社が直接販売している中古住宅を取得したときは建物に消費税が課されます

高額取引となる不動産売買では、消費税の金額も大きくなります。
中古住宅購入の際は減税制度が利用できますが、消費税の有無で適用条件が異なります。
減税制度は複雑なことも多いため、疑問や不明な点は信頼できる不動産会社に相談しましょう。

(執筆者:茶谷利津子)

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