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理想のホームオフィスとは?仕事がはかどる在宅ワークのレイアウト術

新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、在宅ワークやWEB会議が急速に広まり、多くの人が、十分な準備もできないまま自宅で仕事をはじめることになりました。
通勤時間が減ることで、家族との時間が増えるなどメリットがある一方、「仕事とプライベートのオンオフの切り替えが難しい」 「仕事に集中できない」    といった在宅勤務ならではの悩みも聞こえてきます。
自宅で仕事に集中するためには、快適なワークスペースを確保し、上手に気持ちのオンオフを切り替える必要がありそうです。今回は、空間やライフスタイルに合わせた仕事がはかどるホームオフィスのレイアウトについて、インテリアコーディネーターの山賀史子さんに教えていただきました。

 

山賀史子さん(インテリアコーディネーター)

横浜市生まれ。高校在学中にカナダのホームステイ先で、ライフスタイルに合わせた生活空間づくりを楽しむ様子に感銘を受け、短大で生活造形・インテリア学を学ぶ。浜松の設計事務所およびハウスメーカーで15年勤務したのち、フリーランスのインテリアコーディネーターとして活動を開始。2015年に自宅新築とともに「in F」イン・エフ として独立。一児の母。長く愛着を持って快適に過ごせるインテリアの提案を行っている。

どこを仕事部屋にする?
働き方、暮らし方で変わるワークスペースの選び方

在宅勤務をする上で、どこを仕事部屋にするかは重要なポイントです。
ひとり暮らしの人、子育て中のママ、WEB会議が多い人など、働き方、暮らし方でそれぞれ選ぶ場所は変わってきます。リビングやキッチン、寝室など、自分の目的に合った快適なホームオフィスを作りましょう。

リビングダイニングは「オンとオフ」のメリハリが大事。

多くの方がワークスペースとして利用しているリビングダイニングは、明るく気持ちよい空間であり、仕事をするには相応しい空間です。ひとり暮らしの人のにとっては、部屋の大部分がリビングダイニングスペースとなっているでしょう。
ただ、リビングダイニングはそもそも「くつろぎ」や「団らん」を目的とした空間ですので、仕事に集中できるホームオフィスにするには工夫が必要です。

リビングダイニングを「仕事スペース」「くつろぎのスペース」と分けることで、気持ちを切り替えることができるレイアウトを考えてみましょう。

仕事とくつろぎの専用スペースを作る

仕事に集中できる「オン」のスペース

ダイニングテーブルをワークスペースに利用するのは合理的な方法ですが、食事に利用したり、家族との共用スペースであったりと、仕事場として独占できない場所では、気が散ってなかなか集中できないかもしれません。

オンオフを切り替えて仕事に集中するためには、コンパクトでも専用のワークスペースを確保しましょう。
ダイニングテーブルのすぐ後ろの壁にデスクを配置すると、ダイニングの椅子が、向きを変えるだけでワークチェアに早変わり。省スペースでリビングにワークスペースを確保することができます。

気持ちを「オン」に切り替えるデスクまわり

ワークスペースには、仕事に必要なカレンダーやToDoリスト、時計を配置。気持ちをオンに切り替えるための雰囲気作りをしましょう。

在宅ワークがはかどる椅子選び

在宅ワークは座る時間が長時間になるため、椅子は身体や机の高さに合わせたものを選びましょう。疲れないクッション性のあるチェアパットを敷くなど、腰痛予防に工夫をしましょう。また、インテリア性、サイズ感を重視したダイニングチェアを選ぶとリビングダイニングに統一感が生まれます。
ダイニングチェアを兼用しない場合は、ヘッドレストや肘掛が付いたオフィスチェアで身体への負担を軽減しましょう。

気持ちをリフレッシュする「オフ」のスペース

一日中誰とも会わない在宅ワークでは、仕事に一息入れてリフレッシュする時間が大切になります。
リビングの一角にくつろぎのスペースをあえて演出することで、「今は休憩タイム」と気持ちを切り替えることができます。

くつろぎの姿勢に有効なクッションは、それぞれの季節にあわせた色や素材のクッションカバーを選ぶと気持ちの良い手触りを楽しみながらリラックスすることができます。また空間の彩りとしてデザインやカラーを選ぶとインテリアの質も高まります。
夏の暑い時期には、涼やかな寒色系の色合いで素材はコットンや麻など肌触りがやさしく洗い替えのしやすいもの。冬の寒い時期には、あたたかな暖色系カラーのベロアや毛足が長いファーのついたものがおすすめです。観葉植物やお花を飾れば、ちょっとした自分や家族をもてなすスペースの完成です。

視線をコントロールする

気持ちのオンとオフを上手に切り替えるためには視線をコントロールする家具配置が重要です。

リビングダイニングでは、デスク前の視線にテレビやゲームなどが視界に入らない位置にデスクを配置するといいでしょう。娯楽が眼に入るとつい目がそちらに向かってしまい作業に集中できません。寝室のようにリラックスを目的とした空間で仕事をする際にも、デスクからはベッドが見えないように配置をします。
リビングダイニングが一つの空間である場合、折りたためる衝立パーテションで緩く区切る、または天井から幅広の布を吊り下げ視線を遮る方法もあります。

照明の色でシーンを切り替える

多くの家庭で主流になったLED ライトの色は、クリアで青みがかった「昼白色」と、黄みがかった「電球色」の2つに大きく分けられます。仕事に集中したい時は、クリアな光で紙と文字のコントラストがアップする「昼光色」のライトを、リラックスする時は温かみのある「電球色」のライトを使うことで、シーンによってワーキングタイムとプライベートを切り替えることができます。

最近は、色温度が調整できる「調色機能」と明るさを調節する「調光機能」がついているLEDのデスクランプが一般的になってきましたので、ぜひお試しください。

忙しい子育てママのホームオフィスは場所選びが大切

在宅ワークの最大のメリットは、通勤せず自宅で仕事ができるということです。小さなお子さんがいるご家庭では、子供と一緒に過ごしながら仕事ができる安心感がある一方、家事の総量が増えた、仕事に集中できないという声も聞こえてきます。

キッチンから洗面所への動線に配置したホームオフィス

効率良く家事と仕事を両立させるためには、家事動線とワークスペースの位置関係を考慮しましょう。キッチンや洗濯機など水回りの近くは家事もしやすくリビングダイニングの様子も伺えるので、在宅ワークをする女性の方に人気の配置です。

また在宅ワークだからこそ妨げになる不要な訪問セールス、固定電話の対策としてインターフォンや固定電話と作業スペースの距離は近くに設置することをお勧めします。どなたが訪問したかすぐにわかりますし、仕事に集中する午前中は留守電話にするなど対策を講じます。子供の学校からかもしれない電話はつい取ってしまいがちですが、予定通りに仕事を進めるために家事、仕事のメリハリをつける工夫は必要です。

音と光をコントロール。WEB会議が多い人のホームオフィス

気になる生活音をシャットアウト

WEB会議が多い人にとって、生活音が多いリビングダイニングでの在宅ワークは集中力の妨げになります。
専用の書斎や個室がない場合は、人の出入りが少ない寝室がおすすめです。ホテルルームのようにベッドの横に併設してテーブルと椅子を配置すれば、オンライン会議に集中して会話ができます。

寝室を利用したホームオフィス

背景をすっきりと見せる

背景が気になる人は、壁を背にデスクをレイアウトすることで画面に映る背景も整えやすく、すっきりとした印象をあたえます。後ろを家族が通る心配もありませんね。

画面モニターの向きに気を付けて

窓に向かってデスクを配置すると、逆光となり、見え辛くなります。カーテンやブラインドで調光するか、パソコンの向きを変えて調節しましょう。

WEB会議で顔映りがキレイに見える照明の使い方

照明は自分自身に明かりが当たるようにします。自分より後ろに光源があるとそちらにホワイトバランスがあってしまうため、自分が暗く映ってしまいます。
明かりを斜め前の方向から当てれば、顔に陰影ができて立体的に映り、表情が豊かになります。正面からの光はノッペリとした顔になってしまいます。

カメラ映りに良い照明

初めての人とのビジネスミーディングや面接では、見栄えやモニター越しの印象をよくすることが必須です。
ひと工夫でワンランク上の画面映りにチャレンジしてみましょう。

光源は、直接視界にはいらないカバーや笠のついた照明がおすすめです。光源ランプがみえるようなスタンド照明は、壁に反射させた光を顔に照らしたり、トレーシングペーパーをふんわりと金クリップで止めるなど、光を柔らかくします。照明の位置によって映り方が変わるので明かりの位置を移動させながら、どの位置が美しくみえるか調整してみてくださいね。(トレーシングペーパーは光源に近づけすぎると発火する恐れがあります。取り扱いには十分お気をつけください。)

簡単にできることばかりなので、上手に取り入れ活用していきましょう。

仕事と生活の場の気持ちを切り替えるレイアウト

在宅ワークの成功の秘訣は、仕事とプライベートを上手に切り替えるための快適なホームオフィス作りにありそうです。視線や空間を上手くコントロールして、ストレスのない在宅ワークを実現しましょう。コロナ禍中でもご家族や自身の生活を守り、団らんを楽しむ暮らしのヒントにしていただければと思います。

家庭にあかるい光が差し込み安心して生活できる日常となりますように。

 

in F(イン エフ) フリーランスインテリアコーディネーター 山賀史子
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