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中古マンションのデメリットとは?対処方法やメリットなども解説

新築よりも安価に、立地条件の良い物件が見つかりやすい中古マンションですが「購入時の諸費用が高い」「耐震性能が劣る可能性がある」 などのデメリットもあります。
購入の失敗を防ぐためには、デメリットを把握したうえで適切に対処することが大切です。

本記事では、中古マンションの代表的なデメリットや対象方法などをわかりやすく解説します。

遠鉄の不動産・浜松ブロック長
石岡 靖雅(いしおか やすまさ)


宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、相続支援コンサルタント、家族信託コーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

中古マンションのデメリット

中古マンション デメリット

まずは中古マンションの代表的なデメリットをみていきましょう。

購入時の諸費用が高い傾向にある

マンションを購入するときは、購入代金だけでなく諸費用も支払う必要があります。

購入時の諸費用は、新築マンションよりも中古マンションのほうが高い傾向にあります。
多くの場合、不動産会社に対して支払う「仲介手数料」が発生するためです。

仲介手数料は、法律で「物件価格×3%+6万円(税抜)」が上限と定められています。
例えば物件価格が4,000万円であると、最大126万円(税抜)の仲介手数料が発生します。

修繕積立金が高い傾向にある

修繕積立金は、マンションの大規模修繕に備えて入居者が積み立てるお金です。

大規模修繕には、1戸あたり75万〜120万円ほどの工事費用がかかります。
そのため多くのマンションは、入居者から計画的に修繕積立金を集めて、大規模修繕に備えているのです。

マンションによっては、段階的に修繕積立金が値上げされることがあり、築年数が経過した中古マンションほど、修繕積立金は高い傾向にあります。

耐震性能が劣る可能性がある

マンションは、所定の耐震基準に従って建築されています。
耐震基準は、1981年(昭和56年)6月の建築基準法が改正される以前の「旧耐震基準」と、改正以降の「新耐震基準」の2種類があります。

新耐震基準のマンションは、震度7の地震がきても耐えられるとされていますが、旧耐震基準のマンションは震度5までしか耐えられない可能性があるのです。

外観や設備が古い

中古マンションのデザインは、新築マンションと比較して古臭さを感じるかもしれません。
また断熱性能や省エネ性能なども、新築マンションより劣る傾向にあります。

さらにガス給湯器をはじめとした設備の老朽化が進んでいると、入居後にすぐ交換しなければならないこともあるのです。

資産価値が低い

中古マンションは、新築マンションと比較して資産価値が低くなります。
築年数が経過するにつれて、経年劣化により建物部分の価値が下がっていくためです。

以下は、首都圏にある中古マンションの築年数と㎡単価の関係性をあらわしたグラフです。

中古マンション デメリット

※出典:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)

築20年が経過するころには、中古マンションの価格が半分程度まで下がっているのがわかります。

中古マンション購入時のデメリットの対処方法

中古マンション デメリット

中古マンションのデメリットの多くは、対処が可能です。
ここではデメリットの対処方法を解説します。

リフォーム・リノベーションをする

リフォームやリノベーションをすると、中古マンションの性能を高められます。
例えば断熱性能は、壁や床に断熱材を施工したり内窓をつけたりすることで改善できます。

またリフォーム・リノベーションをすることで間取りや内装を大きく変えられるため、ご自身や家族のライフスタイルに合った室内に変更できます。

ただし建物の構造や管理規約によっては、希望通りに工事できないことがあるため、購入する前に必ず確認しておきましょう。

総合的な購入金額で判断する

中古マンションを購入する際は、仲介手数料がかかることが多いため、諸費用は高くなりやすいです。
しかし新築マンションの取得コストが割安というわけではありません。

仲介手数料には、不動産会社の人件費や建物の広告宣伝費が含まれています。
一方で新築マンションを販売するための人件費や広告宣伝費などは、販売価格に上乗せされているのです。

また新築マンションと中古マンションには、大きな価格差があります。
諸費用の金額だけでなく、購入代金やリフォーム・リノベーションの費用もあわせて総合的に判断することが大切です。

耐震性能や災害リスクを確認する

中古マンションを購入するときは、耐震性能を必ず確認しましょう。
旧耐震基準で建てられていた中古マンションだとしても、 補修工事をして「耐震基準適合証明」を受けていると、新築並みの性能があるといえます。

また物件周辺のハザードマップで地震や水害のリスクを確認し、災害が発生したときに被害が生じにくいマンションを選ぶのも有効です。

管理状況や長期修繕計画を確認する

「マンションは管理を買え」といわれるほど、管理状況の確認はマンション選びにおける大切なポイントです。

日ごろの管理が行き届いており、大規模修繕が計画的に行われている中古マンションは、築年数が経っていても良好な状態を保っています。
また修繕積立金が積み立てられていれば、計画通りに大規模修繕が実施されてマンションを良い状態に保ちやすくなります。

管理が行き届いた中古マンションであれば、立地をはじめとした条件が良い場合は、高値で売却することも可能です。

中古マンションのメリット

中古マンション デメリット

中古マンションのデメリットについて解説してきましたが、実は中古マンションには新築マンションにはないたくさんのメリットもあります。
ここからは中古マンションの主なメリットをみていきましょう。

価格が安い

中古マンションの価格は、新築マンションよりも安い傾向にあります。
以下は、首都圏における新築マンションと中古マンションの平均価格の推移をあらわしたものです。

中古マンション デメリット

※出典:東京カンテイ「マンションデータ白書 2020

2020年における中古マンションの平均価格は、新築マンションよりも約2,568万円も安くなっています。
諸費用を含めて考えても、新築マンションと比べると中古マンションは割安といえるでしょう。

選択肢が多い

日本は土地が少ないため、駅周辺にはすでにマンションが建っている状態です。
新築マンションに絞って検討すると、どうしても選択肢が少なくなります。

中古マンションを含めて検討すると、選択肢を大幅に増やせる可能性があります。
そのため立地や価格帯、広さなどが希望に合った物件が、予算内で見つかりやすくなるでしょう。

現物・現地を確認して購入できる

新築マンションの多くは、 建物が完成する前から販売が始まります。
人気のエリアにある新築マンションは、 建物の工事が終わるころにはすでに完売していることもあるため、実際の部屋を見ずに購入の決断をしなければならないケースも少なくありません。

中古マンションであれば、すでに建物がある状態です。
室内や廊下、周辺の環境を検討段階で確認できるため、購入後の生活をイメージしたうえで購入の判断ができます。

中古マンションを購入する際のポイント

中古マンション デメリット

最後に中古マンションを購入するときに知っておきたいポイントを、3点解説します。

1. 今後のライフスタイルに合った物件を探す

購入後のライフスタイルに合った間取りや立地のマンションを選ぶことで、より快適な暮らしが実現できるでしょう。

例えば小さい子どもがいるのであれば、子育てがしやすい環境にあるマンションを選ぶのがおすすめです。
子育てがしやすいマンションの特徴は、以下の通りです。

  • 学校や病院、公園などへのアクセスが良い場所にある
  • 同じマンションに子育て世帯が多い など

また老後生活をするためのマンションを選ぶのであれば「段差が少なくバリアフリーである」「歩いて行ける距離にスーパーや銀行、郵便局がある」などを基準にマンションを探すと良いでしょう。

2. 入念に資金計画を立てる

中古マンションとはいえ、購入するためには一般的に数千万円の資金が必要です。
自己資金の準備額やローンの借入額などを慎重に検討し、堅実な資金計画を立てることが大切です。

またリフォーム・リノベーションをする場合は「リフォーム一体型の住宅ローンを借りる」「住宅ローンとリフォームローンを別々に借りる」といった選択肢があります。

購入後に金銭的な不安を抱えないためには、入念に資金計画を練ったうえでマンションを購入することが大切です。

3. 築浅の中古マンションにこだわらない

「できるだけ新築に近いマンションに住みたい」という理由から、築浅の中古マンションに絞って検討するケースも多いでしょう。
しかし将来的に売却するとき、建物部分の価値が下落したことで購入したときよりも安い金額でしか売れない可能性もあります。

築20年を超えたマンションであれば、建物部分の価値はほぼ下がり切っています。
築古でも立地が良く、管理が行き届いているマンションを選べば、購入価格と同額かもしくはそれ以上の金額で売却できることもあります。

【まとめ】中古マンションのデメリットには適切な対処を

中古マンションには「諸費用や修繕積立金などが高い傾向にある」「耐震性能が劣る可能性がある」「外観や設備が古い」などのデメリットがあります。
しかしこれらのデメリットは、さまざまな方法で対処が可能です。

また中古マンションは、新築マンションよりも価格が安く選択肢が豊富です。
これまで新築マンションに絞って検討していた方は、中古マンションを選択肢に含めてみてはいかがでしょうか。
(執筆者:品木 彰)

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