それは、信頼できる不動産会社をパートナーとして選ぶことです。
経験・知識・情報量が豊富で、親身になってサポートしてくれる不動産会社に相談することができれば、家探しはグっと楽になります。とはいえ、特に初めて住宅購入を検討する方は、選び方や相談の仕方がなかなか分からないことでしょう。「不動産会社って、どうやって選べばいいの?」
「不動産会社には、どんなことを相談すればいいの?」この記事では、こんな疑問にお応えしていきます。

遠鉄の不動産・浜松北ブロック長 恒吉 俊哉(つねよし しゅんや)
宅地建物取引士
『不動産会社選び』が一番大事であるワケと選定のポイント
なぜ不動産会社選びが重要なのでしょうか。
まず知っておきたいのは、どの不動産会社も、取り扱える情報の種類や数に大きな差はないということです。住宅などの不動産を売買仲介する不動産会社は、すべてREINS(レインズ)というシステムにアクセスできるようになっています。
REINSとは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称であり、宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣に指定された組織である全国4つの指定流通機構が運営しているものです。
このREINSには、全国ほぼすべての不動産情報が掲載されており、不動産会社はここにアクセスして情報を検索し、お客様に提示しています。
(よく不動産会社の窓口で担当者がコンピューターを操作してお客様に見せているシーンがあるかと思います。あれが、まさにREINSを検索しているところです)
そうなると、「物件数が多い/少ない」という点はほとんど選定基準にならないことが分かります。
大手でも、中小でも、都内の業者でも、地方の業者でも、変わりはありません。
では、何を基準に選定するのか───
- 充実したサービス
- 手厚いサポート力
- 対応の良さ
- 誠実さ
といった点が、良い不動産会社を判断する基準になると考えて良いでしょう。
あなたが理想の物件に出会えるかどうかは、取り扱っている情報量ではなく、不動産会社がどれだけお客様のために一生懸命になってくれるか、にかかっているのです。
上記のようなポイントを押さえて良い不動産会社を選ぶことができれば、親身になって相談を聴いてもらえることで理想に近い物件に、はやく出会えます。
さらに、購入を良い条件で進められることも期待できますし、アフターサービスが優れていれば、購入後の安心も得ることができるでしょう。
だから、不動産会社選びは大切なのです。
不動産会社を選ぶ際に確認したいポイントについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
住宅購入のパートナーとして「選びたい不動会社」と「選んではいけない不動産会社」
不動産会社は「物売り」ではなく「サービス業」である、と考えましょう。
サービス業として優れている不動産会社のポイントを整理しましたので、選定の参考にしてみてください。
選びたい不動産会社
不動産知識が豊富
ただ売るだけではなく、業界や商品に関する知識が豊富で、専門的な見地からアドバイスをくれる会社は良い不動産会社であるといえます。
物件情報だけでなく、手続きやローンについても相談できる(優遇制度や資金計画)
購入したら終わりではなく、購入前や購入後についても相談に乗ってもらえれば安心できますし、計画的に購入を検討することができます。
情報や知識の共有、提供を惜しまない
優れた不動産会社は、持っている情報をオープンにして「一緒に物件を探して」くれます。
レスポンスがよく、対応がはやい
担当者のやる気は、結果に直結します。不動産会社とは数か月という長い単位で付き合うことになりますので、対応の良さは大事なポイントになります。
地元に密着した情報を持っている(生活に関する地域の情報など)
持っている物件情報の数はどの会社も変わりませんが、地域特有の情報を持っているかどうかは、不動産会社によって異なります。買い物や交通、病院や学校などの生活に関係する機関、災害情報からご近所の特徴まで、地元に密着した情報をしっかりと持っている業者を選びましょう。
話をよく聴いて、よく理解してくれる
理想の住宅に出会うには、担当者が親身になってしっかりと相談に乗ってくれることが何よりも重要です。自社の都合を押し付けるようなことがなく、じっくりと話を聴いてくれる会社こそ、良い不動産会社であるといえます。
選んではいけない不動産会社
「おとり」物件を出している
インターネットや広告で良い物件を見つけたと思って掲載元に問い合わせたら、「その物件はすでに売れてしまいました。代わりに、こんな物件はいかがですか?」というケースです。これは嘘をついて客寄せをしているということですので、信頼できる不動産会社とはいえないでしょう。
物件数ばかり押してきてサービスの提案がない
上述のとおり、業者によって取り扱える物件数にはほとんど差はありません。豊富な物件数などをウリにして、プラスアルファの情報提供や、独自サービスの提案がない不動産会社は、理想的なパートナーではありません。
希望条件に合わない物件を紹介してくる・柔軟性がない
自社の都合ばかり押し付けてきたり、「そんな条件の物件はありません」と探す努力をしてくれない業者は、選ばないほうがよいでしょう。
リスクやデメリットについて教えてくれない
本当にお客様のことを考えてくれる不動産会社は、良いことばかりではなく、その物件のリスクやデメリットなどの不都合な点についても正直に教えてくれます。
「デメリットはありますか?」と尋ねても回答が曖昧な業者であれば、家探しのパートナーには選定するべきではありません。
不動産会社ごとの実際の対応の違いは、直接会ってみないことにはなかなか分かりません。
住宅購入を考え始めたら、少し手間だと思っても、まずは複数の不動産会社に足を運んで相談してみることをオススメします。
検討段階で不動産会社へ相談すべき内容
「そうは言っても、どんなことを相談すればいいの?」
初めての住宅購入検討であれば、そもそもどんな相談を持ち掛ければ良いかも分からないでしょう。
次の点を参考にしてみてください。
まずは「相談だけ」でも大丈夫
「まだ具体的なことが決まっていないのに、不動産会社に相談を持ちかけてもいいのかな?」と考える方は多いのですが、大丈夫です。
話を聴いて条件等を整理したりするところからが不動産会社の仕事ですから、どんどん相談しましょう。
希望条件を伝える
相談の内容としては、まず自分が住宅に求める条件を伝えるところから始めると良いでしょう。
これに合わせて、希望どおりの物件がそもそもあるのか探してもらったり、専門的な見地から希望を見直すためのアドバイスをもらったりします。
希望エリアの相場や生活環境について
「選びたい不動産会社」で述べたように、優れた不動産会社は地元に密着した情報を持っており、それを惜しまずに共有してくれます。
「このエリアに住みたいと思っているんだけど、どう思う?」と聴いてみましょう。
ライフプラン、将来について
住宅は金額が大きく、長期的に付き合うことになる商品です。
購入に際しては、今現在の状況だけでなく、将来も見据えて物件を選ぶ必要があります。
家族や仕事に関する将来像を伝えれば、それに合わせた提案をもらえるでしょう。
優遇制度
住宅には、税金などに関するさまざまな優遇制度などが設けられています。
「どうすればお得に買える?」というのも、ぜひ不動産会社に相談したいポイントの一つです。
今後の流れ、段取り
初めて住宅を購入する方は特に、「どうやって進めればいいの?」、「購入までにどんなステップがあるの?」ということが気になるはずです。
まずは不動産会社に、購入までの全体像の整理をしてもらうのも良いでしょう。
まとめ
不動産会社によって取り扱う物件の数には大差はありませんので、サービス業として優れている会社を家探しのパートナーとして選ぶようにしましょう。
選定のポイントが分かったら、まずは実際に不動産会社に会いに行って判断してみてください。
自分に合った不動産会社に出会うことができれば、理想の住宅は一気に近付いてきます。