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実家を売却する方法とは?手順や税金など売却時のポイントを解説

家族の思い出が詰まった実家を売却するのは、なかなか気が進まないかもしれません。
しかし、実家に誰も住んでおらず管理をしていくことも難しいのであれば、近隣住民に迷惑をかけたり、金銭的な負担が重くなったりする前に売却するのも一案です。

本記事では、実家を売却するときの手順やかかる費用・税金などを解説します。

遠鉄の不動産・中遠売買ブロック長 岸本 圭祐(きしもと けいすけ)


宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、カラーコーディネーター、ファイナンシャルプランナー3級

空き家になった実家は売却するべき?

実家が空き家になっている場合、管理が難しいのであれば売却をするのも1つの方法です。
ただし、相続で取得した実家を売却するときは、事前に相続登記が必要です。

空き家を放置するとさまざまな弊害が起こりうる

誰も住んでいない実家を放置すると、建物は老朽化して倒壊してしまうかもしれません。
建物の老朽化に加えて庭の雑草が高く伸びると景観が悪化し、不法投棄や放火、害獣・害虫などが発生する原因となる恐れがあります。

また、自治体から「管理不全空家」と認定されると、土地部分の固定資産税や都市計画税に特例が適用されなくなり、税負担が増えることもあります。

建物の劣化が進めば進むほど、不動産の価値が下落して売れにくくなっていくでしょう。

実家が空き家であり、維持やメンテナンスが難しいのであれば、早急に売却を検討した方が良いといえます。

実家を相続した場合は売却前に「相続登記」が必須

実家を相続したのであれば売却をする前に必ず「相続登記」をしましょう。
相続登記とは、相続によって取得した家の名義を変更する手続きのことです。

相続登記をしなければ、相続した実家を売却できません。
名義が故人のままであり、相続した人の所有物であることを証明できない不動産は、原則として売却できないためです。

また、2024年(令和6年)4月1日からは相続登記が義務化され、不動産の所有権を取得した日から3年以内に登記手続きをしなければなりません。

正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料に処される可能性があるため、実家を相続したときは忘れずに相続登記をしましょう。

実家を売却する際の流れ

実家を売却する際のおおまかな流れは、以下のとおりです。

  1. 不動産会社に実家を査定してもらう
  2. 売却に必要な書類を集める
  3. 売却を依頼する不動産会社を決めて媒介契約を結ぶ
  4. 売り出し価格を決めて販売活動を開始する
  5. 買主と売買契約を結び手付金を受け取る
  6. 残代金を決済し物件の引き渡しをする

1.不動産会社に実家を査定してもらう

まずは不動産会社に査定をしてもらい、実家がいくらで売れそうなのかを調べましょう。

不動産会社による査定には「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」があります。

  • 机上査定:過去の成約価格や現在販売中の物件価格などのデータで査定する方法
  • 訪問査定:データと不動産会社による現地調査を用いて査定する方法

訪問査定のほうが査定の精度は高いですが、不動産会社による訪問があり、かつ査定結果が分かるまでに3〜4日ほどかかります。

そのため、いくつかの不動産会社に机上査定を依頼し、何社かに絞り込みをしてから訪問査定を依頼すると良いでしょう。

2.売却に必要な書類を集める

実家の査定と並行して、売却に必要な書類を集めます。
家を売却する際の必要書類の例は、以下のとおりです。

書類の概要
本人確認書類 運転免許証・マイナンバーカードなど
印鑑登録証明書 実印であることを証明する書類
登記済権利証
(登記識別情報通知)
物件を取得したときに法務局から交付される書類
固定資産税納税通知書 毎年4月上旬に市区町村役場から送付される書類
建築確認済証・検査済証 建物や設備の概要が記載された書類
地積測量図・境界確認書 隣地との境界線を明確に記載した証明書

必要書類は状況によって異なるため、不動産会社への問い合わせやインターネットなどで事前に確認し、スケジュールに余裕を持って収集を始めましょう。

3.売却を依頼する不動産会社を決めて媒介契約を結ぶ

続いて、不動産査定の結果をもとに売却を依頼する不動産会社を選びます。

不動産会社によって得意な分野は異なるため、査定の根拠や販売戦略を比較し、実家を高値で売却してくれそうな不動産会社を選ぶことが大切です。

また、疑問点を積極的に質問し、その回答の内容を聞くことで担当者の知識や技量、誠実さなどを判断しやすくなります。

信頼できる不動産会社が見つかったら、媒介契約を結びます。
媒介契約の種類や特徴については、以下の記事をご確認ください。

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媒介とは

4.売り出し価格を決めて販売活動を開始する

不動産会社と媒介契約を結んだら、売り出し価格を決めて売却活動を始めます。

売り出し価格は、周辺物件の価格相場をもとに慎重に検討しましょう。
価格相場と比較して売り出し価格が高すぎると売れ残りやすくなり、反対に安くしすぎると安値で買い叩かれて損をしやすくなるためです。

売り出し価格や販売戦略が決まると、不動産ポータルサイトやチラシなどに実家の情報が掲載されるようになります。

不動産会社が作成した広告案を確認し、間取りや築年数などの情報に誤りがないか、実家の魅力が伝わる広告となっているかをよく確認することが大切です。

5.買主と売買契約を結び手付金を受け取る

物件の購入希望者が見つかり、価格や引き渡し日などの条件に双方が合意したら、不動産会社立会いのもと売買契約を結びます。

売買契約を結ぶ際は、宅地建物取引業者(不動産会社)による重要事項説明が行われます。
契約書や重要事項説明書に記載された内容を確認し、不明点があれば不動産会社を担当者に質問して解消することが大切です。

また売買契約を結ぶ際は、買主から売主に手付金が支払われるのが一般的です。
売買契約を結んだあと、買主の都合で契約がキャンセルになった場合、受け取った手付金を返却する必要はありません。

6.残代金を決済し物件の引き渡しをする

売買契約を結んだあとは、一般的に数週間〜1か月ほどで物件を買主に引き渡します。
物件の引き渡し時には、購入代金から手付金を引いた残りを買主が売主に支払い、残代金が決済されます。

残代金が決済されて物件の鍵が買主に引き渡され、司法書士が法務局で所有権の移転登記をすると、手続きは完了です。

実家の売却時にかかる費用・税金

不動産を売却するときは、手数料や税金がかかります。
実家の売却時にかかる主な費用・税金は、以下のとおりです。

概要
仲介手数料 物件価格×3%+6万円(税別)が上限
※売却価格が400万円を超える場合
印紙税(契約書に貼る収入印紙代) 売却価格に応じて5,000〜3万円程度が一般的
譲渡所得に対する所得税・住民税 売却益(課税譲渡所得価格)×税率

譲渡所得に対する所得税や住民税(いわゆる譲渡所得税)の税率は、不動産を売却した年の1月1日時点における所有期間に応じて決まります。

  • 5年以下(短期譲渡所得):39.63%(所得税率30.63%+住民税率9%)
  • 5年超(長期譲渡所得):20.315%(所得税率15.315%+住民税率5%)
    ※2037年(令和19年)までは、所得税額の2.1%が復興特別所得税として徴収されます。上記は、復興特別所得税を合算した税率です。

譲渡所得が発生する場合、売却の翌年の3月15日までに確定申告をしなければなりません。

他にも、売却前に修繕やハウスクリーニング、建物の解体などをする場合は、別途費用がかかります。

実家を相続したときの費用・税金

実家を相続したときにかかる可能性がある費用・税金は、以下のとおりです。

概要
相続税 相続した財産の額から、借金や葬式費用などを差し引いた残りが「3,000万円+(600万円×法定相続人)」を上回るときにかかる税金
相続登記費用 登録免許税:土地や建物の価額×0.4%

司法書士報酬:5万〜10万円が一般的

相続税がかかる場合、被相続人(亡くなった人)の死亡を知った日の翌日から10か月以内に申告と納税が必要です。

登録免許税を計算する際の「土地や建物の価額」とは、基本的に市町村役場で管理する固定資産課税台帳に登録された価格です。

なお、2025年(令和7年)3月31日までは、土地の価格が100万円以下である場合、土地部分の登録免許税は免税となります。

実家を売却する際の税負担を軽減できる特例

不動産を売却したときは、特別控除や特例を適用することで、金銭的な負担を軽減できることがあります。

実家の売却時に適用できる可能性がある特別控除・特例は、以下のとおりです。

概要
相続空き家の3,000万円特別控除 相続または遺贈(遺言による指定で遺産を贈ること)によって取得した家屋やその敷地を売却すると、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例 マイホーム(居住用財産)を売却したときに譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例 相続または遺贈で取得した財産を売却するときに、譲渡所得を計算する際、納めた相続税の一部を取得費に加算できる特例

上記の制度を利用するためには、所定の要件を満たしたうえで、確定申告をする必要があります。

実家を売却するときは、最寄りの税務署や税理士などに相談をし、適用できる制度がないか確認すると良いでしょう。

実家を売却して後悔した事例

空き家となった実家は、売却することで管理の負担や税負担を軽減できます。
しかし、十分に検討することなく実家を売却してしまうと、後悔する可能性もあります。

実家を売却時に後悔をしてしまう主な理由は、以下のとおりです。

  • 思い出の詰まった実家を手放したことで喪失感や罪悪感を覚えた
  • 相場よりも低い価格で売却してしまった
  • 不動産会社選びに失敗した

実家の売却によって後悔をしないようにするためには、そもそも売却すべきかどうかを慎重に検討することが大切です。

例えば、将来的に自分自身や子どもなどが住む可能性がある場合は、当面のあいだ親族や知人などに貸して住んでもらう方法もあります。

もし実家を売却するのであれば、実績が豊富で信頼できる不動産会社を探し、周辺の価格相場をもとに売り出し価格を適切に設定することで失敗を防ぎやすくなるでしょう。

【まとめ】実家を売却するときは不動産会社に相談しよう

実家が空き家になっている場合、そのまま放置すると建物の倒壊や景観の悪化、税負担の増加などさまざまな支障が起こる可能性があります。
実家の管理が難しい場合は、不動産会社に依頼して売却するのも1つの方法です。

また、実家の売却や相続にはさまざまな費用・税金がかかるため、何にいくら支払うのかをよく確認しておくことが大切です。
(執筆者:品木 彰)

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