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不動産売却で失敗しないために理解しておくべきポイントとは

住宅などの不動産の売却を行う場合、売主と買主の双方をつなぎ、交渉や煩雑な手続きの代行をしてくれる不動産会社との契約が必要になってきます。

そして不動産の売却でトラブルも起こさず、損もせず、しっかりと成功させるためには、この不動産会社の選定がもっとも重要なポイントになるということをご存知でしたでしょうか?

「不動産会社なんてどこも同じじゃないの?」
「みんなはどうやって不動産会社を選んでいるの?」
「失敗しない不動産会社選びのポイントは?」

こういった疑問に、データを見ながらお答えしていきましょう。
大切な資産を扱うお話しですから、本記事をご参照いただき、確実に納得のいく不動産会社選びをしていただきたいと思います。

遠鉄の不動産・浜松北ブロック長
影山 裕紀(かげやま ひろき)


宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、3級ファイナンシャル・プランニング技能士、ITパスポート

不動産会社なんてどこも同じじゃないの?

まず始めに、不動産売却を考える方によくある誤解をときたいと思います。
それが、「不動産会社なんてどこも同じじゃないの?」ということです。

結論としては、まったくもって同じではありません。
会社によって、かなり大きな違いがあります。
ざっと挙げるだけでも、これだけの比較項目が考えられます。

  • 物件の得意領域:マンションが得意、戸建てが得意など
  • 地域/エリアの得意領域:都心が得意、地元が得意、○○線沿線が得意など
  • 実績:過去の取引実績が多い、少ないなど
  • 広告の得意領域:ネット広告に強い、チラシ広告に強いなど
  • 顧客:見込み顧客が多い、少ないなど
  • サービス:付加サービスが豊富、貧弱など

当然、比べるべきポイントはまだまだありますが、特に以下の点については結果に直結するため、しっかりとした確認が必要です。

  • 売却期間・スピード
  • 売却価格
  • 販売計画
  • 販売手法

仲介会社によって売却価格も売却スピードも異なります。
販売計画も、販売手法も異なります。
あなたなら、大切な資産をどちらの会社に預けたいですか?

みんなはどうやって不動産会社を選んでいるの?

不動産会社によって違いがあることは、お分かりいただけたかと思います。
とはいえ、千差万別、玉石混交の不動産会社の中から、どのようにしてあなたの最適なパートナーを選べばよいのでしょうか?
リクルート住まいカンパニー社の調査データを分析しながら、

「みんなはどうやって不動産会社を選んでいるの?」

をチェックして、あなたの不動産会社選びの参考にしてみましょう。

売却検討時の接触件数

不動産売却のパートナーを選ぶまでに、何社の不動産会社に接触をしたかというリサーチです。

データ出典:リクルート住まいカンパニー 2019年売却行動調査

ここで注目すべきは、全体の平均が2.9社であるということです。
やはり皆さん、複数の会社を比較してからパートナーを決定しています。
手間に感じるかもしれませんが、各社を比較してご自身のケースに最適な会社を選ぶためにも、2~3社ほどは接触してみるようにしましょう。

売却にあたって接触した会社を選択したきっかけ

複数の会社に相談をしたうえで、「何が決め手となり、パートナー選びを決定したのか」という調査です。
比べるべきポイントが分かる、とても興味深いデータです。

データ出典:リクルート住まいカンパニー 2019年売却行動調査

上位5点を取り上げ、詳しく確認してみましょう。

  1. 購入した(する)物件を扱う会社だったから / 購入した(する)物件を扱う会社から紹介された会社だったから

    住宅の売却の場合、多くのケースでは並行して引越し先の購入も進めることになります。
    購入物件を仲介してくれる不動産会社とは既に一定の信頼関係を築いているはずですから、売却についても任せられると判断する方が多いようです。

  2. 不動産売却一括査定サイトの結果が良かったから

    不動産一括査定サイトを利用すれば、複数の不動産会社から同時にオファーを受けることができます。
    各社の提案内容も比べやすくなりますので、これをベースにパートナー選びを決定するのも一つの方法です。

  3. 親族や知人からの紹介だったから

    信頼できる方から紹介された会社であれば、当然に他社よりは信頼できると考えられます。
    ご自身での判断が難しい場合、頼れる知人からのアドバイスを参考にするのが良いようです。

  4. 売却物件の近くに店舗があったから

    この記事の冒頭で不動産会社ごとの「得意・不得意」について触れました。
    不動産の業界は地域性が強く出やすい業界であるため、「○○地域は□□社が強い」という傾向が現れがちです。
    物件の近くに店舗を構える不動産会社であれば、その地元での売買に強みを持っている可能性があります。

  5. チラシやDMなどの広告でよく見る会社だったから

    いわゆる、ブランドです。
    社名をよく目にするということは、それだけ広告に力を入れている=資金力があると考えられたり、評判が良い=いい仕事をしてくれると考えられたりする指標になります。
    必ずしも大手や有名店が優れており、中小企業や無名な地元の店舗が劣っているということはありませんが、知名度は一つの基準にはなります。

このように見ると、全体として「信頼性が高い」という点が、意思決定のポイントになっていることが多いと分かります。
不動産会社を選ぶうえでは、信頼できる会社かどうかを考えましょう。

媒介契約をした会社数

不動産会社に売買の仲介をしてもらうために交わす契約のことを、「媒介契約」と呼びます。
媒介契約は、1社だけと交わすことも当然できますし、複数の会社と同時に締結することもできます。
一般的には何社の不動産会社と媒介契約を結ぶことが多いのか、という点を調査した結果を示すのが以下のデータです。

データ出典:リクルート住まいカンパニー 2019年売却行動調査

「1社のみと媒介契約を交わす」という結果が圧倒的に多く、50%を超えています。
複数社と同時契約することで間口を拡げたり各社の競争意識を煽ったりすることも考えられますが、一般的には信頼できる1社を見極め、その不動産会社に全力で売却に取り組んで
もらうことが多いといえます。

売却時に依頼した媒介契約の形態

媒介契約は、その形態(契約内容)によって、単独契約なのか複数同時契約なのか、またどんなサービスが受けられるのか、などが変わってきます。
どの形態で契約する方が多いのか、を調査したのが以下のデータです。

データ出典:リクルート住まいカンパニー 2019年売却行動調査

「専属専任・専任媒介契約」を選ぶ方が、60%を超えています。
これらの契約は、同時に1社のみと契約できる内容のものですので、やはり特定の1社としっかりとパートナーシップを組んで売却に取り組む方が多いことが分かります。

専属専任・専任媒介先の選択理由

複数の不動産会社と同時契約すれば売却の間口を拡げたり、契約各社に競争意識を持たせたりできるというメリットがあります。
それにもかかわらず、なぜ多くの方「専属専任・専任媒介契約」で特定の1社を選ばれるのでしょうか。
その理由を調査した結果が以下のデータにまとまっています。

データ出典:リクルート住まいカンパニー 2019年売却行動調査

理由の上位5点は、次のような結果でした。

  1. 営業担当者のまめさ、熱心さ
  2. 会社の知名度、安心感
  3. 購入した(する)物件を扱う会社(やそのグループ会社)だったから
  4. 営業担当者のマナーがしっかりしていた
  5. 査定価格が高かった

不動産会社の立場からすれば、1社に絞って契約してもらった方が明らかに力が入ります。
これを実現するために、特に営業担当者が一生懸命にアピールしてくることになりますので、その担当者に対する信頼感が決め手になることが多いようです。

他にも会社の知名度や既に契約をしている会社が挙がるなど、ここでもやはり「信頼性」や販売力が重要なポイントになることが分かりました。

不動産会社選びで失敗しない3つのポイントとは

様々なデータを確認し、不動産会社選びの一般的な傾向を理解することができました。
それらも参考にしながら、ご自身のケースにとって最適なパートナーを見極めるために必要な、3つの確認ポイントをご紹介します。
最終的に不動産会社を決定する前に、必ず次の3つの質問を投げかけるようにしましょう。

不動産会社選びのポイント1:「査定価格は適切か?」

結局いくらで売れるのか、というのは最も重要な点の一つでしょう。
同じ不動産物件であっても、担当する不動産会社によって、最終的な売却価格は変わってきてしまいます。
どの会社もプロですから、まるでデタラメな価格で売却するということは考えにくいでしょう。
しかし、相場に対してどれくらいの価格で売ってくれるかは確認する必要があります。

これを確認するには、相場価格に対してご自身でもある程度の知識を持っておくことをオススメします。
専門家並みに詳しくなる必要はありませんが、「相場的に、もう少し高く売れないか?」という交渉や、「いくら何でも設定価格が安すぎないか?」という指摘ができるくらいにはなりたいところです。

不動産会社選びのポイント2:「販売計画は明確か?」

売却を依頼された不動産会社は、その物件の特性から判断して、どのようにベストな売却を実現するかという販売計画を立てます。
この計画の立て方は不動産会社や、その営業担当者によって大きく内容が異なってくるものになります。

ただ情報を公開して、あとは受動的に買主からの反応を待っているだけ、という会社もありますので、「本当に自分の物件をしっかり売ってくれるのか?」と確認するためにも、どのような販売計画を立てているかを明確に共有してもらうようにしましょう。

ここでの回答が曖昧だったり、明らかに手抜きだったりするような場合には、契約先を変更することを考えるきっかけになります。

不動産会社選びのポイント3:「安心・信頼できる業者か?」

究極のポイントともいえてしまいますが、結局は「安心して売却を任せられるか?」、「信頼できるか?」という点を見極めるのが最も重要です。

「売却に対して本気で取り組んでくれるか」
「営業担当者の態度」
「不動産に関する知識の豊富さ」
のような一見細かいと思えるようなポイントでさえも、買主とのトラブルに発展する危険性などを考えると、しっかり見極めなくてはいけないことであるといえます。

不動産取引のような堅苦しいやりとりでも、結局は人と人とのコミュニケーションです。
数字で判断できる事柄以外でも、「この人になら任せられるな」と思えるパートナーと組むことが、成功への近道になります。

不動産仲介は会社選びがすべて

ここまでお読みいただいた方は、不動産売却においてパートナーとなる不動産会社の選定がいかに重要で結果に影響することであるかが、しっかりとご理解いただけたかと思います。

不動産一括査定サイトなどを利用すれば、各社がこぞって「高い査定金額」」を提示してきます。
ところがこの金額は仲介をする不動産会社にとっては何の責任も発生しないものであり、お客様に注目していただくための「つかみ」でしかありません。
早期に売れるための適正価格の提示や買取サービスの有無など、総合的なサービスの内容も含めて判断するようにしましょう。

そして最も大切なのは、安全な取引であることです。
不動産売買の取引は複雑な部分が多く、豊富な専門知識が必要です。
大きな金額を取り扱うことになるため、ちょっとしたトラブルでも訴訟に発展する可能性があると考えなければなりません。
安全な取引を実施してくれる、信頼できる不動産会社に仲介を依頼するべきであるという意識を持っておきましょう。

不動産は大切なご資産ですので、ぜひ納得のいく不動産会社選びをしてください。

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