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不動産売却した年の固定資産税は誰が払う?精算方法や注意点を解説!

  • 2020.07.27
  • 2022.06.14
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土地や家などの資産には「固定資産税」が課され、所有者は毎年、資産がある市区町村に税金を納めなければなりません。
しかし年度途中で不動産を売却した場合「固定資産税は売主・買主どちらが払うの?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか?

この記事では不動産を売却した年の固定資産税の精算方法や、精算時の注意点についても解説します。

遠鉄の不動産・浜松ブロック長
江間 和彦(えま かずひこ)


宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士

不動産売却をした年の固定資産税は誰が払う?

固定資産税の納税義務者は「その年の1月1日現在の所有者(土地登記簿などに物件の所有者として登録されている人)」です。また、所有する土地が市街化区域にある人は、都市計画税の納税義務もあります。

年度途中で不動産を売却しても、売主に固定資産税や都市計画税を支払う義務があります。
ただし物件引き渡し日以降の固定資産税と都市計画税を売主と買主の間で精算し、それぞれの所有期間に合わせて分担するのが一般的です。

不動産売却後の固定資産税の精算方法や、精算の注意点についてみていきましょう。

売主と買主で日割り精算するのが一般的

不動産を売却する時点で、売主はすでに1年分の固定資産税と都市計画税を支払っています。そのため、引き渡し日以降の固定資産税を日割り計算して、買主に負担してもらうのが一般的です。

しかし固定資産税の精算は、法律で定められているわけではありません。あくまで売主・買主間の契約によるものです。
売買契約書に納付分担について明記する必要があるため、契約前に不動産会社に相談しましょう。

納付分担の起算日に注意する

固定資産税を日割り精算する際は「起算日をいつにするか」によって負担額が変わります。
起算日は各自治体で「1月1日」または「4月1日」と異なるため、不動産会社に確認しましょう。

売買契約書に起算日が明記されていないと、思わぬトラブルに繋がることがあります。

【起算日に関するトラブルの例】

売買契約書に起算日の明記がなく「不動産の引き渡し日をもって納付分担を区分する」とだけ記載されていたケースです。

売却物件の課税期間は4月1日~翌年3月31日でしたが、買主は賦課期日と同じ1月1日~12月31日を課税期間だと考えていました。
そのため買主は、引き渡し日から12月31日までの固定資産税額は精算するが、翌年1月1日~3月31日分については負担しないと主張したためトラブルへと発展しました。

固定資産税の起算日は買主・売主双方で確認し、必ず売買契約書に記載しましょう。

納税は売主が行う

固定資産税の納税義務者は「その年の1月1日現在の所有者」です。
年度の途中で不動産を売却しても、売主宛てに納税通知書が送付され、売主が固定資産税の全額を支払います。

そのため買主負担の固定資産税は、不動産の売買代金に上乗せして精算されます。

不動産売却後の固定資産税の計算例

ここからは「固定資産税の金額10万円、物件の引き渡し日は6月20日」という例をもとに、計算方法を解説します。
起算日が1月1日と4月1日の場合で、売主・買主双方の金額が変わります。

起算日が1月1日の場合

【売主負担額:46,575円】
170日分(1月1日~6月19日)→10万円÷365日×170日分=46,575円

【買主負担額:53,424円】
195日分(6月20日~12月31日)→10万円÷365日×195日分=53,424円

起算日が4月1日の場合

【売主負担額:21,917円】
80日分(4月1日~6月19日)→10万円÷365日×80日分=21,917円

【買主負担額:78,082円】
285日分(6月20日~3月31日)→10万円÷365日×285日分=78,082円

円未満の端数は、売主・買主間での調整を行います。

そもそも固定資産税とは?

固定資産税は、土地や建物などの固定資産を所有している人に課せられる税金です。
国に納める国税ではなく、固定資産がある市区町村に納める地方税に分類されます。

税額は、自治体(各市町村)が算出する土地と建物の価格である「固定資産税評価額」をもとに計算します。
土地と建物の固定資産税評価額は、以下が目安です。

  • 土地:国が算出する土地価格である「公示価格」の70%
  • 建物:建物を再建築したときの価格の50〜70%程度

固定資産税の計算方法

固定資産税の計算方法は、以下のとおりです。

  • 固定資産税=課税標準額 × 税率(標準税率は1.4%)

固定資産税の税率は原則として1.4%ですが、自治体によって異なる場合があります。

建物部分の課税標準額は、基本的に固定資産税評価額と同じです。
土地部分については、軽減措置が適用されることで固定資産税評価額よりも課税標準額のほうが低くなることがあります。

土地部分の固定資産税に適用される軽減措置は「住宅用地の特例」が代表的です。
特例が適用されると、所定の限度面積までの固定資産税評価額が一定割合減額されます。
限度面積と減額割合は、以下のとおりです。

  • 200㎡までの部分(小規模住宅用地):1/6
  • 200㎡超の部分(一般住宅用地):1/3

都市計画税とは

都市計画税は、所有する土地や建物が市街化区域にある場合に課せられる税金です。

市街化区域は、住宅や商業施設が多数あり市街地として栄えているエリアや、およそ10年以内に市街化を進める予定であるエリアが該当します。

都市計画税の計算方法

都市計画税は、固定資産税と同様に「課税標準額 × 税率」で税額を計算します。
税率は、原則0.3%です。

都市計画税についても、所定の要件を満たすと「住宅用地の特例」が適用され、土地部分の固定資産税評価額が以下のとおり減額されます。

  • 200㎡までの部分(小規模住宅用地):1/3
  • 200㎡超の部分(一般住宅用地):2/3

不動産売却時の固定資産税は経費になる?

不動産を売却して利益がでたときは、譲渡所得税が発生します。
譲渡費用(売却にかかる経費)が多いほど利益が減るので税金も少なくなりますが、残念ながら固定資産税を経費に入れることはできません。

譲渡費用となるのは仲介手数料や印紙代など、不動産を売るために直接かかった費用に限られます。

固定資産税は売却とは関係がなく、資産を維持・管理するための費用なので譲渡費用として認められません。

不動産売却時の固定資産税には消費税がかかる?

固定資産税という税金に、さらに消費税が加算されることはありません。
しかし買主が支払う固定資産税の精算金については、売買代金に上乗せするため消費税がかかる場合があります。

消費税の課税対象は「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等及び外国貨物の引取り」とされています。
国税庁HPより引用)

個人対個人の取引や、不動産会社が仲介に入る場合は非課税となりますが、不動産会社が売主となるケースでは消費税の課税対象(※)です。
(※建物についてのみ課税対象、土地は非課税)

不動産売却時の固定資産税以外の精算は?

不動産売却時は、固定資産税以外にも売主・買主間で精算が必要なこともあります。

マンションの管理費や修繕積立金の精算

マンションの多くは共用設備の維持や改修工事のため、住人から管理費や修繕積立金を徴収しています。
精算が必要な場合は、売主・買主にて協議のうえ精算方法を決定しましょう。

土地の実測精算

不動産の売買には、登記簿(もしくは土地登記簿)に記載の土地面積で売買する「公簿売買」と、実際に土地の面積を測って取引をする「実測売買」の2種類があります。
売主・買主双方の合意により実測売買となったときは、登記簿記載の土地面積と実測値の差異分を売買代金にて精算します。

まとめ

固定資産税は土地や家などの資産に課される地方税で、所有者には毎年納税する義務があります。
不動産売却後の固定資産税については、次の4つがポイントです。

  • 年度途中で売却しても売主に納税義務がある
  • 引き渡し日を基準に売主・買主双方で分担するのが一般的
  • 精算する場合は、買主の負担額を売買代金に上乗せする
  • 起算日により双方の分担額が変わる

固定資産税の分担は不動産会社に相談しながら、売主と買主の両者が納得できるように協議しましょう。
(執筆者:茶谷利津子)

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