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不動産売却の流れは9ステップ!売買契約までにはどんな手続きが必要?

不動産売却は多くの方にとって初めての経験になります。

「売りたいけど、まずはどうやって一歩目を踏み出せばいいか分からない…」
「どんな作業や準備が必要になるんだろう?」
このように不安を抱えている方も少なくないでしょう。

この記事では物件売却の流れをわかりやすく説明します。
不動産売却の流れを9つのステップで解説していますので、物件の売却計画にお役立てください。

遠鉄の不動産・中遠売買ブロック長 岸本 圭祐(きしもと けいすけ)


宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、カラーコーディネーター、ファイナンシャルプランナー3級

不動産売却の流れを9ステップで解説

まずはスタートからゴールまでの、大きな流れを把握しましょう。
不動産の売却の流れは次の9ステップで進みます。

  1. 相場を把握する
  2. 手続きに必要書類を集める
  3. 不動産会社に相談
  4. 不動産価値を査定してもらう
  5. 媒介契約を結ぶ
  6. 売却価格を決定
  7. 内見対応・購入希望者との交渉
  8. 売買契約を結ぶ
  9. 物件引渡し・売却完了

1.相場を把握する

不動産売却の第一歩は、物件の売却価格の相場を知ることです。
売却価格の相場を調べるためには、以下の4つを確認しましょう。

ご自身の売却物件と「条件の近い物件」の価格を目安に、相場を把握します。

2.手続きに必要書類を集める

必要な書類は、主に次のとおりです。

【不動産売却 必要書類チェックリスト】

項目 取得場所 戸建て マンション 土地
本人確認書類 (売主保有)
住民票 市区町村役場
実印 (売主保有)
印鑑証明書 市区町村役場
登記済権利証

(登記識別情報)

(売主保有・物件取得時に法務局から交付)
固定資産税納税通知書

(固定資産税評価証明書)

市区町村役場
建築確認済証・検査済証 市区町村役場 × ×
地積測量図・境界確認書 測量士・土地家屋調査士 ×
マンションの管理規約、議事録、長期修繕計画書 マンションの管理会社 × ×

(○:必要、△:任意または該当の場合のみ、×:不要)

それぞれの書類の詳細については、こちらの記事をご覧ください。

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3.不動産会社に相談

不動産売却において、最も大切なのは不動産会社選びです。
適切な不動産会社に依頼をしないと「相場よりも安く売却することになった」「売却までにかなり時間がかかった」と、後悔するケースも少なくありません。

不動産会社は大きく分けて「大手不動産会社」と「地元密着の不動産会社」の2つがあります。
「どちらのタイプが正解」というわけではなく、それぞれのメリット・デメリットを理解して条件に合った不動産会社を選ぶことが大切です。

大手不動産会社 地元密着の不動産会社
メリット
  • ネットワークの広さ
  • 広告力とブランドによる認知の高さ
  • 全国的な情報を持っている
  • 地元ならではの情報を熟知
  • 地域のコミュニティ、人脈を持っている
  • 担当者の親身な対応
デメリット
  • 担当者の対応がドライ
  • 地域特有の不動産事情に疎い
  • 大規模な宣伝力や全国的な認知度が低い
  • 経営規模がさまざま

不動産会社選びについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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4.不動産価値を査定してもらう

不動産会社選びと同時に、物件の査定を進めましょう。
査定では次の3つの調査を行い、不動産の売却価格を決めます。

現地調査 物件の状態、近隣建物の状態、周辺環境の状態を調査する
法務局調査 登記簿記載事項、測量図、建物図面などを確認する
役所調査 用途地域、建築・法令上の制限を確認する

3つの調査を行ったうえで、不動産会社は査定報告書で売却価格の提案を行います。

5.媒介契約を結ぶ

不動産会社に売却の仲介を依頼する契約が「媒介契約」です。
媒介契約には3種類あります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

それぞれの契約で売却活動の条件が異なります。

一般媒介
契約
専任媒介
契約
専属専任
媒介契約
他の不動産会社と
同時に契約できるか
× ×
自分で買主を探して
直接取引できるか
×
契約期間 (規定なし) 3か月以内 3か月以内
REINS※への登録 (規定なし) 契約から
7日以内
契約から
5日以内
不動産会社からの
報告の頻度
(規定なし) 2週間に1回以上 1週間に1回以上

※Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称。宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣に指定された組織である全国4つの指定流通機構が運営している、全国不動産情報データベース。

一般媒介契約は、複数の不動産会社と同時に契約を結べることがメリットです。
売主側の自由度は高いですが、不動産会社の動きを売主が把握しにくいというデメリットもあります。

(専属)専任媒介契約では、売主は1社の不動産会社としか契約できません。
売主に対する拘束力は強いですが「不動産会社が積極的に活動してくれる」「不動産会には報告義務があるので状況を把握しやすい」といったメリットがあります。

売却物件の条件に合わせて、どの契約を結ぶべきかは変わります。
媒介契約について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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6.売却価格を決定

媒介契約を結んだら、不動産会社と相談して売却価格を決めて売り出します。
高すぎては売れませんし、安すぎては損をしてしまいますので、不動産会社の腕と売主の知識が重要になるでしょう。

売却にかかる手数料や税金についても把握しておきましょう。
不動産売却にかかる税金について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

7.内見対応・購入希望者との交渉

売り出している不動産を「買いたい」という人が現れると、まずは物件の内見対応をおこないます。
内見では室内の間取りや日当たり、周辺環境の説明が求められます。
不動産会社の担当者からも購入希望者へ説明がありますが、アピールポイントがあれば積極的に紹介して好印象の残しましょう。

買主の購入希望の意志が固まってきたら、条件の交渉が始まります。
交渉は不動産会社が中心になって進めるため、事前に不動産会社とは綿密な打合せを行いましょう。

8.売買契約を結ぶ

条件交渉が合意に至ったら、売主と買主で売買契約を締結します。
売買契約を締結する前に、不動産会社の宅地建物取引士が買主に向けて「重要事項説明」を行います。
重要事項説明を買主が承諾してから、売買契約を結びます。
契約を結ぶ際には、買主から売主へ手付金の支払いが行われることが一般的です。

売買契約は一度結んだら簡単には取り消せません。
契約前にしっかりと内容を理解しておきましょう。

9.物件引渡し・売却完了

契約が成立したら、いよいよ物件を引き渡します。
これで不動産の売却は完了します。

不動産売却後の確定申告も重要

物件の引き渡しが終わったら売却活動は終了しますが、不動産売却をした人は「確定申告」についてもチェックしましょう。

不動産売却をしたあと、確定申告が必要なケースと、不要なケースがあります。

確定申告が必要
  • 不動産売却で譲渡所得が生じている場合
  • 税金の特例を利用する場合
確定申告が不要
  • 売却益が譲渡損失となった、かつ税金の特例を利用しない場合

不動産を売却して利益(譲渡所得)が生じた場合は、確定申告が必要です。
損をした場合でも、損益通算や繰越控除など税金の特例を利用するためには確定申告をしなければなりません。

それぞれの取り引きに応じて、確定申告の有無は異なります。
不動産売却後の確定申告について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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まとめ

不動産売却の主な流れは9ステップあります。
必要書類や契約書など、専門的な知識が必要なことも少なくありません。

売却活動は不動産会社が中心となって行いますが、売却を成功させるためにも9つのステップを売主側も把握することが大切です。信頼できる不動産会社と一緒に、スムーズな売却を目指しましょう!

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