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住宅ローン返済中の転勤で考えるべき4つの選択肢|住宅ローン控除はどうなるの?

住宅ローンを組んでマイホームを購入したものの、勤めている会社から転勤を命じられて、引っ越さなければならない場合があります。

住宅ローンの返済が終わっていないと、マイホームや住宅ローンをどうすればいいか迷ってしまうかもしれません。

そこで今回は、住宅ローンを返済中に転勤になった場合に検討すべき「4つの選択肢」を解説します。

遠鉄の不動産・浜松北ブロック長 影山 裕紀(かげやま ひろき)


宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、3級ファイナンシャル・プランニング技能士、ITパスポート

住宅ローン返済中に転勤!4つの選択肢とは?

住宅ローンの返済中に転勤することになった場合、以下の4つの選択肢があります。

  • 単身赴任で家族が自宅に住み続ける
  • 自宅を空家にする
  • 自宅を賃貸にする
  • 自宅を売却する

それぞれ詳しく解説します。

単身赴任で家族が自宅に住み続ける

自分だけが転勤先に居住し、家族が自宅に住み続ける方法です。

配偶者が自宅近くの職場で仕事をしていたり、子どもが学校に通っていたりなど、それまでの生活を優先したい場合におすすめの選択肢です。

家族が自宅に住み続けることで、家の経年劣化に対する補修にも対応しやすくなります。

ただし生活費が二重でかかる点に注意が必要です。
自宅のローン返済や家族の生活費に加え、単身赴任先の住居費用や生活費が発生します。
勤務先の手当がある場合は、負担が大きくならない場合もあるでしょう。

自宅を空家にする

転勤先の住居に家族で引越しをして、自宅を空家にしておく方法です。
家族と離れたくない、全員で一緒に生活したい、という場合におすすめの選択肢です。

注意点として、空家の状態で放置しておくと建物がだんだん老朽化して傷んでしまうことがあげられます。
また長期間放置しておくと防犯の問題も生じます。

老朽化や防犯の問題を解決するためには、定期的に自宅の管理を行う必要があります。
空家の管理会社に依頼する方法もありますが、管理費用を負担しなければなりません。

また自宅を空家にする場合は、ローンの規約違反にならないかどうかも、金融機関に事前に問い合わせておきましょう。

自宅を賃貸にする

自宅を賃貸物件にして貸し出す方法です。
借り手が見つかれば家賃収入が得られるだけでなく、空家にすることによる老朽化などのリスクも防止できます。

ただし経年劣化によって家屋が傷んだ場合には、修繕費用を支出しなければなりません。

また賃貸にすることが住宅ローンの規約などに違反していないか、金融機関に確認する必要があります。

自宅を売却する

自宅を売却し、その代金を住宅ローンの返済にあてる方法です。
売却価格が住宅ローンの残債を上回る場合に適しています。
売却価格がローンの残債を下回る場合は、不足分を手持ちの資金で補わなければなりません。

資金が足りずに住宅ローンを完済できないと、債権者である金融機関によって抵当権が実行されて、自宅が競売にかけられる可能性があります。

競売を避けるためには「任意売却」という選択肢があります。

任意売却とは

任意売却とは金融機関と交渉し、ローン残債がある状態での抵当権抹消を了承してもらい、自宅を売却する方法です。

任意売却には「競売に比べて高額で売却しやすい」「引越し時期を自分で選択しやすい」「引越し費用を売却代金から捻出できる可能性がある」などのメリットがあります。

任意売却について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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転勤したら住宅ローン控除はどうなる?

転勤すると、場合によっては住宅ローン控除を受けられなくなる可能性があります。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンを組んでマイホームを購入して一定の要件を満たす場合に、所得税の控除が受けられる制度です。

要件の1つに「その者の居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること」があります。
少しわかりにくい文言ですが「マイホームに本人や家族が居住していなければならない」という意味です。

転勤の形態によってはマイホームに居住しているとはいえなくなり、住宅ローン控除を受けられなく場合があります。

ここからは転勤によって住宅ローン控除を受けられるケースと、受けられないケースを解説します。

住宅ローン控除を受けられるケース

単身赴任で家族が居住している場合

本人が単身赴任をして、配偶者や子などの家族(生計が同一な場合に限る)がマイホームに居住している場合には、問題なく住宅ローン控除を受けられます。

家族が居住しているのであれば、本人が単身赴任先に住民票を移していても問題ありません。

二世帯住宅で親を扶養している場合

マイホームが二世帯住宅で、住宅ローンの債務者が親を扶養しているケースがあげられます。

この場合、住宅ローンの債務者と配偶者・子の全員が転勤先に引越しをしても、扶養家族である親がマイホームに居住してれば住宅ローン控除を受けられます。
生計が同一である扶養家族が、居住しているといえるからです。

住宅ローン控除を受けられないケース

家族全員が転勤先に引越した場合

本人だけでなく家族全員で転勤先に引っ越した場合は、住宅ローン控除を受けられません。
マイホームに居住している人が誰もいないので、要件を満たさないからです。

自宅を賃貸にした場合

マイホームを賃貸に出して他人が住んでいる場合も、本人や家族ではないので、住宅ローン控除を受けられません。

住宅ローン返済中の転勤で悩んだら不動産会社に相談を

住宅ローンを返済中に転勤することになった場合は複数の選択肢があります。
しかしどの方法にも、メリットやデメリット、注意点があります。

最適な選択肢は家族構成、ライフスタイル、生活状況によって異なります。

それぞれの状況にあわせて最適な方法を選択したい場合は、まずは不動産会社に相談しましょう。
住宅ローンをめぐるさまざまな状況を熟知した不動産会社であれば、最適な方法を提案してくれます。

まとめ

住宅ローンの返済中に転勤する場合「単身赴任する」「空家にする」「賃貸にする」「売却する」の4つの選択肢があります。
ただし選択肢によっては、住宅ローン控除を受けられなくなる可能性もあります。
ライフスタイルや将来の計画に合わせて、自分の状況にあった選択をしましょう。

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