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中古マンションが売れない理由とは?対処法もわかりやすく解説

中古マンションを売りに出したものの、一定期間が経過しても買い手が見つからない場合は原因を考えたうえで対策する必要があります。

本記事では、中古マンションが売れない理由や買い手が見つからないときの対処方法などをわかりやすく解説します。

遠鉄の不動産・浜松北ブロック長 影山 裕紀(かげやま ひろき)


宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、3級ファイナンシャル・プランニング技能士、ITパスポート

中古マンションが3か月で売れない場合は対策が必要

中古マンション 売れない

東京カンテイの調査によると、2011〜2020年のあいだに首都圏で売りに出された中古マンションは、平均3〜4か月で成約しています。
※東京カンテイ「中古マンションの価格乖離率&売却期間」

中古マンションを売りに出してから3か月が経過しても売れない場合は、早急に対策する必要があるでしょう。
マンションが売れないときの対処方法にはさまざまな種類があるため、まず売れない原因を考えることが大切です。

ここからは、マンションが売れない代表的な理由を解説していきます。

中古マンションが売れない理由1.販売戦略に問題がある

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中古マンションを売り出すときの価格設定や、売り出すタイミングを間違えると買い手は見つかりにくくなります。

売り出し価格が高すぎる

マンションの売り出し価格が相場から乖離していると、売却期間が長引く要因となります。
例えば周辺のライバル物件や相場と比較して売出価格が高いと、売却期間が長引きやすく、値下げをしなければ売れない状況となります。

また値下げを繰り返していると「もう少し待てばもっと値段が下がるだろう」と購入希望者が考えてしまい、さらに売却期間が長引くことになるでしょう。

売り出すタイミングが悪い

相場をもとに売り出し価格を設定しても、タイミングによっては売却期間が長引いてしまうことがあります。
例えば同じマンション内で、価格が安いお部屋や上階にあるお部屋が売りに出されていると、それらが売れるまで買い手が見つからない可能性があるのです。

中古マンションが売れない理由2.物件に問題がある

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築古のマンションや需要が低い立地にあるマンションは、売却期間が長引きやすいです。

築年数が古い

築年数が古いマンションは、新築マンションや築浅マンションよりも建物の老朽化や設備の経年劣化が進んでいます。
「せっかく大金を払うのであれば、築古ではなく新築や築浅にしよう」と考える方は、少なくありません。

また築古のマンションは担保としての価値が低い傾向にあるため、金融機関からの融資を受けにくいのも特徴です。
そのため融資を受けやすい新築マンションや築浅マンションと比較して、築古のマンションは選ばれにくくなります。

立地やエリアの需要が低い

立地は、購入後の暮らしやすさに大きく影響します。
そのため「駅から15分以上離れている」「近くに公園やスーパー、病院などの施設がない」など、立地が悪いと考えられるマンションは売れにくいでしょう。

また、近くに線路や幹線道路があるような騒音が気になるマンションや、日当たり・風通しが悪いお部屋なども、買い手が見つかりにくく売却期間が長期化しやすいです。

管理費や修繕積立金が高い

マンションを購入したあとは、管理費と修繕積立金を毎月支払う必要があります。
物件価格がお手頃であっても、管理費や修繕積立金が高くランニングコストがかかる物件は選ばれにくい傾向にあります。

特に修繕積立金は、築年数が経過するごとに段階的に値上げされることがあるため、築年数が経過しているマンションほど購入後のランニングコストが高くなりやすいです。

中古マンションが売れない理由3.売主や不動産会社の対応に問題がある

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マンションの売主や不動産会社が原因で、売却期間が長期化することもあります。

丁寧な内覧対応ができていない

売り出しているマンションがいくら魅力的でも、内覧対応時の売主の印象が悪いと買い手は見つからないものです。
例えば内覧中であるにもかかわらず、リビングでテレビを見ていたり大声で会話していたりすると内覧者の心象を悪くしてしまうでしょう。

また内覧時にお部屋が散らかっていたり汚れが目立っていたりすると、魅力が低下してしまい買い手が見つかりにくくなります。

不動産会社が売却活動を怠っている

売却の仲介を依頼している不動産会社が販売活動を怠っていると、マンションはまず売れないでしょう。
特に不動産会社が「囲い込み」をしていると、売却期間が長期化する恐れがあります。

囲い込みとは、売主を仲介する不動産会社が買主も仲介して双方から手数料を得るために、他の不動産会社からの問い合わせを遮断する行為です。

売主と買主の双方を仲介する「両手仲介」そのものには、売買がスムーズになるといったメリットもありますが、不動産会社に囲い込みをされてしまうと売却のチャンスを逃してしまう可能性があります。

中古マンションの販売戦略に問題があるときの対処法

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中古マンションの販売戦略に問題があると考えられるときは、販売価格や売り出すタイミングを見直すのが有効です。

周辺相場をもとに販売価格を再設定する

売り出し価格に問題があると考えられる場合、周辺の相場を入念に調べて販売価格を再設定しましょう。

相場は「レインズマーケットインフォメーション」で調べるのがおすすめです。
レインズマーケットインフォメーションには、不動産会社の担当者しか閲覧できないマンション価格を閲覧できるため、相場を把握しやすいです。

売り出すタイミングを見直す

競合物件が多い場合は、売りに出すタイミングを見直すのがおすすめです。
例えば4月からの新生活に向けた需要が期待できる2〜3月は、マンションが売れやすいといわれているためライバル物件が現れやすくなります。

そこで需要が増える前の12月または翌年1月にマンションを売り出すと、ライバル物件との競合を避けられるでしょう。

物件に問題があるときの対処法

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築年数が古いときや、立地が悪いときの対処法を見ていきましょう。

リフォームや修繕を検討する

築年数が古くお部屋内の老朽化が原因で売れにくい場合は、リフォームや修繕を検討しましょう。
必要な箇所にしぼってリフォームや修繕をすることで、売却後に多くのお金が手元に残りやすくなります。

またハウスクリーニングを依頼して、キッチンや浴室、トイレなど水回り設備をきれいにするだけでも売れやすくなることがあります。

アピールポイントを見直す

需要が見込めないエリアにマンションがあったとしても、諦めることはありません。
不動産情報サイトに掲載するアピールポイントを見直すと、売却できる可能性があります。

例えばマンションが駅から遠い場所にあったとしても、近くに学校や公園、病院があることをアピールすると子育て中の世帯が購入してくれるかもしれません。

不動産会社とも相談のうえ、アピールポイントをいま一度見直してみましょう。

マンションの管理が行き届いていることをアピールする

管理費や修繕積立金が高い場合は、管理が行き届いている点や修繕計画がきちんと練られている点をアピールするのがおすすめです。
管理費や修繕積立金が安くても、管理が行き届いていなかったり修繕積立金が計画通りに積み立てられていなかったりすると、快適に暮らすのは困難でしょう。

管理や修繕がきちんと実施されており、入居後に快適な暮らしができることをアピールすると、管理費や修繕積立金が高くても選んでもらえる可能性があるのです。

売主や不動産会社の対応に問題があるときの対処法

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売主が内覧時に丁寧な対応を心がけたり、仲介を依頼する不動産会社を選び直したりするとマンションが売れやすくなることがあります。

内覧対応を丁寧に行う

内覧希望者には、少しでも良い印象を持ってもらえるように丁寧に接することをこころがけましょう。
内覧者の心象を良くするように行動することで、マンションが売れやすくなるだけでなく、価格交渉の際に大幅な値引きが提示されなくなる効果も期待できます。

また売却期間中は、いつ内覧希望者が現れても良いようにお部屋内をきれいに整理整頓しておくことも大切です。

不動産会社を選び直す

マンションが希望通りに売却できるかどうかは、不動産会社次第といっても過言ではありません。
不動産会社の販売活動に不信があるのなら、選び直すのも選択肢のひとつです。

選び直しの際は、マンションの売却が得意な不動産会社を探すことが大切です。
ホームページで過去の売却実績を確認したり、マンションの査定結果と売却までの道筋を聞いたりすると不動産会社が選びやすくなるでしょう。

不動産会社と一般媒介契約を結んでいたのであれば「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」に切り替えるのも方法のひとつです。

専任媒介契約と専属専任媒介契約を結ぶと、不動産会社が積極的に販売活動をしてくれる可能性があります。
また販売活動の報告義務があるため、不動産会社の活動を把握しやすくなるでしょう。

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【まとめ】中古マンションが売れないときは原因に合わせた対策を

売却期間が長引いているときの対策方法を考える際は、マンションが売れ残っている原因を考えることが大切です。
例えば価格設定が原因でマンションが売れないと考えられる場合は、相場を調べたうえで価格を再設定する必要があるでしょう。
築年数が古くお部屋内の経年劣化が原因で売れ残っているのであれば、リフォームや修繕などを実施するのが効果的です。

売れ残っている原因や対策を考えるときは、不動産会社に相談することが大切です。
また相談してもなかなか売却が進まない場合は、マンションの売却実績が豊富な不動産会社と、契約を結び直すことも視野に入れてみましょう。
(執筆者:品木彰)

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