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不動産売却をしたら税務署からお尋ねが届いた!どうしたらいい?やるべきことを徹底解説

  • 2020.06.23
  • 2023.07.07
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マイホームなどの不動産を売却したあと「お尋ね」と書かれた封書が届くことがあります。
差出人を見ると税務署となっているため、ドキッとする人もいるのではないでしょうか?
「お尋ねって何のこと?」「届いたらどうすればいい?」など不安になってしまいますが、内容をきちんと知っておけば慌てることはありません。
この記事では不動産売却後に届く「お尋ね」について、内容や対処法をわかりやすく解説します。

遠鉄の不動産・浜松ブロック長
石岡 靖雅(いしおか やすまさ)


宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、相続支援コンサルタント、家族信託コーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

不動産売却後に税務署から届く「お尋ね」とは?

お尋ねとは、不動産を売却するなど大きな金額が動いたときに税務署から入る「確認」のことです。
税務署は不動産を売却した人に対して、利益の有無、利益に対して税金を納めたかを確認する必要があります。お尋ねは封書で届くのが一般的ですが、直接電話がかかってくるというケースもあるようです。

税務署は、なぜお尋ねをおこなうのでしょうか。
その理由や対象者、送られてくる時期について順にみていきましょう。

不動産売却後に「お尋ね」が届く理由

不動産売却後にお尋ねが届くのは『適切に税金が支払われているか』を確認するためです。
不動産を売却すると、譲渡所得が発生することがあります。
譲渡所得は不動産売却によって得た利益のため、譲渡所得税を払う必要があります。

不動産を売却したら所有権の移転登記をおこないます。税務署は移転登記の状況を把握できるため、不動産売却をした人が誰かわかるのです。
不動産売却をした人のなかでも譲渡所得が発生した可能性がある人へ、税務署は確認のためにお尋ねを送ります。

「お尋ね」が届く対象者は?

税務署はお尋ねの対象者の選定基準を公表していませんが、とくに不動産を売却した翌年に、確定申告をしていない人に届くケースが多いようです。

不動産の売却で利益がでなかった場合は、確定申告をする必要はありません。(ただし税金の特例を利用するためには確定申告が必要です。)
確定申告がされていないと、税務署は本当に利益がなかったかどうか把握できないため、お尋ねの対象になることがあります。

税務署から「お尋ね」が届く時期は?

お尋ねが届く時期にはバラつきがあります。
不動産売却から約半年で届くこともあれば、1年以上が経過してから届くケースもあるようです。

税務署から届く「お尋ね」の内容

不動産を売却した際のお尋ねの内容は、おもに次の3つです。

  • 売却された不動産の情報について
  • 売却された不動産の購入代金等について
  • 売却された不動産の譲渡価格等について

税務署からお尋ねが届いたら、すみやかに正しい回答をすることが大切です。

税務署から届くお尋ねは、法的な書類や税務調査の一環ではありません。
そのため放置したとしても罰金や罰則が課せられたり、すぐに税務署が訪ねてきたりすることはありません。

しかし無回答のままにしていると、怪しいと疑われて税務調査が入る可能性もあります。

売買契約書や明細書、預金通帳や領収書など、売却した不動産の購入代金や譲渡価格がわかる書類を準備して、すみやかに正しく回答しましょう。

税務署から届いた「お尋ね」のケース別対処法

お尋ねは不動産売却の翌年に、確定申告をしていない人に届くケースが多いといわれています。
譲渡所得がなく確定申告していない場合と、譲渡所得があったのに確定申告していない場合とでは、お尋ねの対処法が異なります。
それぞれのケース別に対処法をみていきましょう。

譲渡所得がなく確定申告していない場合

不動産を売却して利益がでなかった場合、税金もかからないため確定申告をする必要はありません。
このケースでは、届いたお尋ねの内容に従って回答すれば大丈夫です。

譲渡所得があったのに確定申告していない場合

不動産を売却して利益があった場合は、確定申告をする必要があります。
確定申告になじみがない人は「知らなかった」「ついうっかり忘れていた」ということがあるかもしれません。

譲渡所得があるにもかかわらず確定申告をしていなかった場合は、管轄の税務署で期限後申告をおこないましょう。

確定申告は1月1日~12月31日までの所得について、翌年の2月16日~3月15日までの間に申告するのが通常です。
期限が過ぎても申告はできますが、日にちが経つと無申告加算税や延滞税などが発生することもあります。

申告期限を過ぎてしまった場合の税加算は次のとおりです。

  • 無申告加算税:納税額50万円までは15%、50万円を超える部分については20%を乗じた金額が加算される
  • 延滞税:遅延日数に応じた割合で課せられる。申告期限より日数が空くほど割合も大きくなる

申告期限から1ヶ月以内に期限後申告をおこなった場合や、納税の意思はあったが申告を忘れてしまったケースでは、加算税や延滞税が免除されることもあります。

譲渡所得があったのに確定申告をしておらず、お尋ねが届いたときは、すみやかに管轄の税務署で手続きをおこないましょう。

わからないときは専門家に相談

お尋ねの対処法に不安がある人は、専門家である税理士に相談しましょう。
不動産売却後の利益計算が初めての場合、何から手をつければいいのかわからない人も少なくありません。

とくに確定申告のやり方がわからず期限後申告が必要な人は、税理士への相談をおすすめします。

不動産売却後は確定申告が必要?

不動産を売却したときは、確定申告が必要な場合と不要な場合があります。
それぞれの条件については次のとおりです。

確定申告が必要な場合

  • 不動産売却によって利益(譲渡所得)が出た場合
  • 税金の特例を利用する場合

不動産の売却で利益が出たときや、利益が出なくても税金の特例を利用する際は確定申告が必要です。

確定申告が不要な場合

不動産売却によって発生する利益(譲渡所得)がない、かつ税金の特例を利用しない場合

利益がなければ税金はかからないため確定申告の必要はありません。

不動産売却後の確定申告について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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まとめ

「お尋ね」は大きなお金の動きに対し、適切に税金が支払われているかを税務署が確認するためにおこなわれます。
税務署からお尋ねが届いたら、通帳や領収書、売買契約書などの書類を準備して、正しく回答することが大切です。
不動産売却による利益があるのに確定申告をしていない人は、すみやかに管轄の税務署へお尋ねの書面を持参し、期限後申告をおこないましょう。
(執筆者:茶谷利津子)

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