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中古マンションをリノベーションする魅力とは?物件の選び方や注意点も解説

金銭的な負担を抑えてマイホームを購入したい方にとって、中古マンションのリノベーションは有効な選択肢のひとつです。

一方で慎重にマンションを選ばないと、希望どおりの工事ができない可能性があります。
また中古マンションとはいえ多額の購入資金が必要になるため、堅実な資金計画を立てることも大切です。

本記事では、中古マンションをリノベーションするメリットやデメリット、購入する中古マンションを選ぶ際のポイントなどを分かりやすく解説します。

遠鉄の不動産・浜松ブロック長
石岡 靖雅(いしおか やすまさ)


宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、相続支援コンサルタント、家族信託コーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

中古マンションのリノベーションという選択肢

中古マンション リノベーション

建物や設備の劣化を補修する「リフォーム」に対して「リノベーション」は住まいの付加価値を高めたり、ライフスタイルに合わせた住まいに作り替えたりする意味合いが強くなります。

まずは中古マンションをリノベーションするメリットとデメリットをみていきましょう。

中古マンションをリノベーションするメリット

中古マンションをリノベーションするメリットは、主に以下の3点です。

  • 取得コストを抑えられる可能性がある
  • 部屋をある程度自由に設計できる
  • 物件の選択肢が増える

中古マンションは、新築マンションよりもリーズナブルな価格で購入できます。
リノベーション費用を加えても、新築マンションよりは取得コストを抑えられるケースが多いでしょう。

マンションによっては、リノベーション工事で間取りや設備の配置などをある程度自由に変更できるため、家族構成や暮らし方に合った部屋に改修できることも魅力です。

また日本は、土地が少なく建物を建てられる場所が限られているため、新築マンションに絞って検討すると、どうしても選択肢が少なくなります。
そこで中古マンションを含めて検討すると、選択肢が増えて希望する立地や広さの物件を購入できる可能性が高まります。

中古マンションをリノベーションするデメリット

一方で中古マンションのリノベーションには、以下2点のデメリットがあります。

  • 住むまでに時間がかかる
  • 希望する工事ができないことがある

リノベーションされた中古マンションに入居できるのは、工事が終わったあとです。
工事期間は、内容にもよりますが数ヶ月〜半年ほどかかることがあります。

またマンションの構造や管理規約によって工事内容が制限されるため、物件選びを誤ると希望する間取りや構造に改修できない可能性があります。

後悔しないリノベーションを実現する中古マンション選びのポイント

中古マンション リノベーション

中古マンション選びの失敗を防ぐためには、何に気をつければ良いのでしょうか。
ここではリノベーションを前提として中古マンションを選ぶ際に、確認するべきポイントを解説します。

建物の構造・配管経路

建物の構造には「ラーメン構造」と「壁式構造」があります。

ラーメン構造は、柱と梁で建物を支えており部屋の間仕切りを自由に取り外せるため、間取りの変更が可能です。
しかし壁式構造は、壁そのもので建物を支えているため、条件によっては間取りの変更が困難です。

また給排水管が入っているパイプスペースの位置は、水回り設備の工事内容に影響します。
キッチンやトイレなどの位置にこだわりたいのであれば、パイプスペースの位置を事前に確認しておきましょう。

共用部分の管理状況・管理規約

リノベーションできるのは、基本的にマンションの室内のみであり、廊下や外壁などの共用部分は工事できません。
いくら室内をリノベーションで快適にしても、共用部分の劣化が激しいと暮らしに不便が生じることもあります。
中古マンションを選ぶときは、共用部分の管理が行き届いているか確認することが大切です。

またリノベーションをするのであれば、管理規約の確認も必須です。
管理規約には、施工可能時間や資材の搬入経路などが記載されています。

さらには「床材の張り替えを禁止する」など、工事内容を制限されていることがあるため、物件選びの際には必ず管理規約を確認しましょう。

築年数

新築マンションと同等の部屋に住みたいからといって、安易に築浅のマンションを選ぶのはおすすめできません。
資産価値の視点で考えると、築20年以上のマンションも有効な選択肢です。

マンションは、築年数の経過とともに経年劣化によって価格が下落していきます。
それが築20年以降になると、以下のとおり価格の下落幅がゆるやかになります。

中古マンション リノベーション

※出典:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)

築20年以上のマンションは築浅のマンションよりも、将来的に売却することになったとき購入時とほぼ同等か、あるいはそれ以上の値が付きやすいのが特徴です。
将来的に売却する可能性がある方は、築古のマンションも検討すると良いでしょう。

耐震性能

マンションは「旧耐震基準」と「新耐震基準」のどちらかに従って建てられています。
旧耐震基準のマンションは、 震度5程度の地震にしか耐えられないとされている一方、新耐震基準のマンションは震度7まで耐えるように建てられています。

新耐震基準が適用されているのは、建築基準法が改正された1981年(昭和56年)6月以降に建てられたマンションであり、それ以前は旧耐震基準が適用されています。
地震に対する不安を少しでも軽減したいのであれば、新耐震基準で建てられたマンションを選ぶと良いでしょう。

リフォームの有無

中古マンションのなかには、あらかじめリフォームやリノベーションが施されたうえで販売されているものがあります。

リノベーション済みのマンションは、工事費用が販売価格に上乗せされています。
購入後にリノベーションをするのであれば、改修されていない物件を選んだほうがコストを抑えられるでしょう。

適正価格とかけ離れていないか

市場には、適正価格よりも高値で売りに出されているマンションがあります。
一方で、借りた土地のうえに建物がある借地権付きのマンションは価格が安い傾向にあります。

適正価格を理解していると、価格が割高なマンションや借地権付きのマンションなどを誤って選んでしまうリスクを回避できます。
エリアや広さなどの条件が同じマンションの価格相場を調べておくと、失敗を防ぎやすくなるでしょう。

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中古マンションのリノベーションでかかる費用

中古マンション リノベーション

中古マンションは新築マンションに比べると価格がリーズナブルであるとはいえ、リノベーションの費用も含めれば多額の資金が必要になります。
そのため中古マンションを取得しリノベーションを行う場合は、入念に資金計画を立てる必要があります。

中古マンションの購入費用

中古マンションの購入費用は、築年数や立地、間取りなどさまざまな要素で変わります。
また中古マンションの購入時には、印紙税や登記費用、手付金、住宅ローンを組む金融機関への事務手数料などを支払わなければなりません。
さらに不動産会社にマンション探しをサポートしてもらったときは、仲介手数料がかかります。

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中古マンション 仲介手数料

リノベーション費用

リノベーションには、工事費用や設備費、設計費などがかかり、工事規模が大きいほど高額になっていきます。
間取りの変更や水回りの改装などもすると、数百万円の費用がかかることもあります。

リノベーションでは、さまざまな工事を追加するごとに費用が膨らんでしまい、マンション購入費とリノベーション費用をあわせたら「新築マンションを購入したほうが安かった」というケースもあります。
予算内で希望のリノベーションを実現するためには、工事の優先順位と予算をあらかじめ決めておくことが大切です。

中古マンションのリノベーションの流れと期間

中古マンション リノベーション

中古マンションのリノベーションは、以下のような流れで進行します。

  1. 中古マンションを購入する
  2. リノベーション業者を選定する
  3. リノベーションの工事内容(デザイン・内装・設備の素材など)を決める
  4. 見積書を確認・承認
  5. 工事開始
  6. 工事完了・引き渡し

リノベーションの期間は、工事の内容によっても異なりますが、概ね数ヶ月〜半年ほどかかるのが一般的です。

中古マンションをリノベーションするときの注意点

中古マンション リノベーション

中古マンションをリノベーションするときは、以下2点に注意が必要です。

  • スケジュールに余裕を持つ
  • 慎重に資金計画を立てる

スケジュールに余裕を持つ

リノベーションは、工事内容によっては数ヶ月〜半年ほどかかることがあります。
また「工事開始後に追加で修繕が必要な箇所が見つかった」「資材の搬入が遅れている」などの理由で工事のスケジュールが遅延する可能性があります。

そのため中古マンションをリノベーションするときは、不測の事態も想定して余裕をもったスケジュールを立てることが大切です。

慎重に資金計画を立てる

中古マンションを購入するときは、自己資金の準備額やローンの借入額などを慎重に検討する必要があります。
中古マンションをリノベーションする場合、ローンについては以下の選択肢があります。

  • リフォーム一体型住宅ローン
  • 住宅ローン+リフォームローン

リフォーム一体型住宅ローンを利用すると、リフォーム費用も含めて低金利での借り入れが可能です。

ただしリフォーム一体型住宅ローンを取り扱っている金融機関が限られるため、マンション購入費用とリフォーム費用で別々のローンを組むこともあります。
返済負担を少しでも減らしたいのであれば、リフォーム費用のみ自己資金で支払うのも選択肢のひとつです。

【まとめ】中古マンションのリノベーションで理想の住まいを手に入れよう

中古マンションをリノベーションすると、予算内でよりライフスタイルに合った住まいを手に入れられる可能性が高まります。
構造や管理規約などを入念に確認したうえでマンションを購入すれば、希望どおりのリノベーションをしやすくなるでしょう。

一方で、中古マンションのリノベーションでは、工事を前提として物件を選ぶ必要があるため、専門的な知識や経験が問われます。
リノベーションを検討している方は、中古マンションの取り扱い実績が豊富な不動産会社に相談するのがおすすめです。
(執筆者:品木 彰)

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