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中古マンションを売却する流れとは?失敗を防ぐポイントも詳しく解説

「中古マンションはどのように売却するのだろうか」
「マンションの売却に失敗したくない」

中古マンションを売却するときは、事前に流れを確認したうえで、慎重に不動産会社を選ぶことが大切です。
本記事では、中古マンションを購入するときの流れや失敗を防ぐ方法についてわかりやすく解説します。

遠鉄の不動産・中遠売買ブロック長 岸本 圭祐(きしもと けいすけ)


宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、カラーコーディネーター、ファイナンシャルプランナー3級

中古マンションを売却する流れ

中古マンション 売却

中古マンションを購入売却するときの流れは、以下のとおりです。

  1. 不動産会社に査定を依頼する
  2. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  3. 売却価格を決めて売りに出す
  4. 購入希望者と不動産売買契約を結ぶ
  5. 残代金の決済と引き渡し

1.不動産会社に査定を依頼する

不動産会社に査定を依頼し、マンションがいくらで売れるのかを確認しましょう。
またマンションを査定してもらい査定結果の説明を聞くことで、売却を依頼する不動産会社を選びやすくなります。

2.不動産会社と媒介契約を結ぶ

売却を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を結びましょう。

媒介契約には、以下の3種類があります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

一般媒介契約は、もっとも制限が少なく、複数社と契約を結べます。
専任媒介契約や専属専任媒介契約は1社としか契約を結べないなど制限がある代わりに、契約を結んだ不動産会社は積極的に売却活動をしてくれる傾向にあります。

媒介契約の違いについては、以下の記事もあわせてご確認ください。

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媒介とは

3.売却価格を決めて売りに出す

不動産会社と媒介契約を結んだら、売り出し価格を決めてマンションの売却活動を始めましょう。

売り出し価格は、マンションの相場をもとに適切に設定することが大切です。
相場から乖離した売り出し価格に設定してしまうと、売却期間が長引いたり安値で売却してしまったりする恐れがあります。

4.購入希望者と不動産売買契約を結ぶ

購入希望者が現れたら、双方が納得のいくまでマンションの売買条件を話し合いましょう。

売主と購入希望者の双方が条件に合意したら、不動産売買契約を締結します。
不動産売買契約では、売主と買主、仲介してくれた不動産会社が一箇所に集まり、重要事項説明書を確認のうえ売買契約書を取り交わすのが一般的です。

5.残代金の決済と引き渡し

売買契約を締結したあと、買主が住宅ローンの審査に通過したことを確認したら、残代金の決済と引き渡しへ移ります。
マンションの売買代金を受け取り、買主へ鍵や管理規約などを引き渡すと、マンションの売却は完了です。

中古マンションの相場を調べる方法

中古マンション 売却

売り出し価格は、周辺の相場を確認していなければ適切に設定できません。
ここでは、相場の調べ方を2点紹介します。

複数の不動産会社に査定を依頼する

マンションの査定結果は、不動産会社によって大きく異なるため、一社の結果だけを聞いても相場を把握するのは困難です。
そこで複数の不動産会社から査定結果と算出の根拠を聞くと、マンション価格の相場が見えてくるだけでなく査定結果が妥当かどうかも判断しやすくなります。

インターネットで検索する

インターネットで「レインズマーケットインフォメーション」にアクセスすると、不動産会社の担当者しか閲覧できないマンション価格が一般向けに公開されているため、相場の把握に役立ちます。
また国土交通省が運営している「土地総合情報システム」でも、エリアごとの不動産取引価格を検索が可能です。

中古マンションの売却時にかかる手数料・税金

中古マンション 売却

中古マンションを売却するときは、手数料や税金などさまざまな支払いが発生します。

仲介手数料

仲介手数料とは、マンションの売却を仲介する不動産会社に支払う手数料です。
不動産会社によって、仲介手数料の設定はさまざまですが、法定上限額は「物件価格×3%+6万円(税別)」になります。

印紙税

印紙税は、売買契約書をはじめとした特定の文書を作成したときに課せられる税金です。
マンションの価格に応じた額の収入印紙を、売買契約書に添付して納めます。

印紙税の額は、次のとおりです。

契約金額 本則税率 軽減税率
500万円超 1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超 5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超 1億円以下 60,000円 30,000円

※出典:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」をもとに作成

マンションの売買契約書が2022年3月31日までに作成されていた場合は、軽減税率が適用されます。

登記費用(登録免許税+司法書士への報酬)

中古マンションを売却するときは、住宅ローンを完済し抵当権を抹消するために登記をする必要があります。
抵当権とは、返済する人が長期間にわたって滞納したとき金融機関がマンションを差し押さえできる権利です。

抵当権抹消登記をする際は、登録免許税を支払う必要があります。
税額は建物1につき1,000円、敷地権1個につき1,000円、合計2,000円です。
また登記手続きを代行してもらう司法書士に対して、数万〜十数万円程度の報酬も支払うのが一般的です。

一括繰上返済の手数料

マンションの売却時に住宅ローンを一括返済する場合、金融機関によっては一括繰上返済の手数料を支払わなければなりません。
一括返済手数料の設定は金融機関によってさまざまであるため、売却活動をする前に確認しておきましょう。

譲渡所得に対する所得税・住民税

マンションを売却して利益(譲渡所得)が発生した場合、所得税や住民税が課税されます。
税金の税率は、以下のとおりです。

  • 5年以下(短期譲渡所得):39.63%(所得税率30.63%+住民税率9%)
  • 5年超(長期譲渡所得):20.315%(所得税率15.315%+住民税率5%)
    ※上記は復興特別所得税を合算した税率

ただし、一定の要件を満たすマイホームを売却すると、居住用財産の3,000万円の特別控除を適用して、3,000万円までの譲渡所得を非課税にできます。

マンション売却時の税金については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。

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中古マンション売却の失敗を防ぐポイント

中古マンション 売却

中古マンション売却の失敗を防ぐポイントを、5点解説します。

スケジュールに余裕を持つ

マンションの売却期間は、一般的に3ヶ月ほどかかります。
状況次第では、売却期間が半年から1年となるケースも珍しくありません。

スケジュールに余裕がないと、売り急いでしまい安値で売却するリスクが高まります。
マンションを売却するときは、余裕があるスケジュールを組むことが大切です。

売却のタイミングを考える

需要が高まる時期にマンションを売り出すと、購入希望者が見つかりやすくなるだけでなく、高値で売却できる可能性も高まります。

例えば住宅の需要が高まるといわれている1〜3月に、マンションを売り出すのもおすすめです。
進学や異動などで生活環境が変わる4月にあわせて住宅の購入を考えている人に、選んでもらえる可能性があるためです。

相場をもとに適切な売り出し価格に設定する

マンションを高値で売却できるかどうかは、売り出し価格に左右されるといっても過言ではありません。
売り出し価格を高く設定しすぎると売れ残ってしまい、結局値下げをしなければ売れなくなってしまいます。
反対に売り出し価格を相場よりも低く設定すると、安値で売ってしまうでしょう。

マンションを希望どおりに売却したいのであれば、相場や不動産会社の意見などをもとに、適切な売り出し価格に設定しましょう。

丁寧に内覧対応をする

居住中にマンションを売り出す場合、いつ内覧希望者が現れても対応できるように売却期間中はお部屋の中をきれいに保ちましょう。
特にトイレや浴室、キッチンなど水回り設備が汚れていると、購入希望者に良い印象を与えないため、ハウスクリーニングを依頼して汚れを落としてもらうのも選択肢のひとつです。

売却実績が豊富な不動産会社を選ぶ

中古マンションの売却が得意な不動産会社ほど、査定結果に明確な根拠があります。
さらに実績が豊富な不動産会社なら、売却までの道筋も分かりやすく提案してくれるでしょう。
また相場をもとに適切な売り出し価格を提案してくれるのも、マンション売却が得意な不動産会社の特徴です。

そのため売却が得意な不動産会社に仲介を依頼すると、マンションを希望の期間内に希望する価格で売却しやすくなります。

中古マンション売却時の注意点

中古マンション 売却

最後に、中古マンションを売却するときの注意点を3点ご紹介します。

リフォームやリノベーションは必須ではない

中古マンションでも、リフォームやリノベーションをしなくても売れる可能性はあります。
中古マンションを購入したあと、自分や家族が暮らしやすい部屋に改装したいと考えている人もいるためです。

リフォームやリノベーションの必要性については、マンションの築年数や内装、設備の状況と合わせて不動産会社に相談してみることをおすすめします。

住宅ローンを完済しなければ売れない

住宅ローンが残っている場合、売却時に完済できる見込みがなければ基本的に買主は見つかりません。
マンションの売却金で住宅ローンを完済できない場合は、預貯金や住み替えローンなどで補填するのが一般的です。

ただし住宅ローンの返済を滞納してしまい、今後も返済できる可能性が低い場合は「任意売却」という選択肢もあります。

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売却後は忘れずに確定申告をする

中古マンションを売却し、譲渡所得が発生した場合は確定申告をして税金を納めなければなりません。
3,000万円の特別控除を適用する場合も、確定申告が必要です。

またマンションを売却して損失が発生した場合は、確定申告をすると他の所得と相殺して所得税や住民税の負担を軽減できる可能性があります。

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【まとめ】流れやポイントを押さえれば中古マンションは高値で売却できる

中古マンションを売却する際は、査定を依頼して売却価格の目安を確認し、仲介を依頼する不動産会社を探しましょう。
仲介を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を結んで売り出し価格を決め、購入希望者を探します。

中古マンションの売却が成功するかどうかは「不動産会社選び」で決まるといっても過言ではありません。
中古マンションを売却する際は、売却実績が豊富な不動産会社に依頼しましょう。
(執筆者:品木彰)

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