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実家を売却する手順は?気になる税金や後悔しないためのポイントを解説

  • 2020.04.05
  • 2023.01.12
  • 売る
「そろそろ実家を手放したいけど、売却の手順は?」
「相続してから売るほうがお得なの?税金はどれだけかかる?」
実家を売りたいけれど売却の手順がわからず悩んでいませんか?今回は実家を売却する手順と税金について解説します。
実家の売却では相続とのタイミングによって、利用できる税金の特例が変わります。
そこで「実家を相続してから売る場合」と「実家を相続する前に売る場合」の2つのケースで、それぞれ利用可能な特例制度についても説明します。

遠鉄の不動産・中遠売買ブロック長 岸本 圭祐(きしもと けいすけ)


宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、カラーコーディネーター、ファイナンシャルプランナー3級

実家を売却するときの手順は?

不動産売却の流れは次の9ステップで進みます。

  1. 相場を把握する
  2. 手続きに必要書類を集める
  3. 不動産会社に相談
  4. 不動産価値を査定してもらう
  5. 媒介契約を結ぶ
  6. 売却価格を決定
  7. 内見対応・購入希望者との交渉
  8. 売買契約を結ぶ
  9. 物件引渡し・売却完了

ただし実家を相続してから売却する場合は、最初に相続登記をおこないましょう。
相続登記とは実家の所有者を、親から被相続人に変更することです。

実家を相続前に売却する場合(所有者である親が売却する場合)は、相続登記は必要ありません。

不動産売却の手順について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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実家を売却したときの税金は?

実家を売却する場合は、2つのケースが考えられます。

  • 実家を相続してから売却する
  • 実家を相続する前に売却する

それぞれのケースで発生する税金が異なります。
まずは実家を相続してから売却する場合をみていきましょう。

相続してから売却する場合

相続してから売る場合は、実家を相続した本人が「自身が保有する住宅として住んでいたか」がポイントです。

住んでいなかった場合は、条件次第で「空き家に係る譲渡所得の特例控除」が適用されます。

住んでいた場合は、売却価格によって「3,000万円特別控除」「譲渡損失の繰り越し控除」が適用されます。
さらに条件次第では「小規模宅地等の特例」の対象となります。

「空き家に係る譲渡所得の特例控除」が使えるケース

親に配属者や親族などの同居人がおらず、一人暮らしであった場合「空き家に係る譲渡所得の特例控除」が受けられる可能性があります。

「空き家に係る譲渡所得の特例控除」は、空き家の実家を売る際に譲渡利益の3,000万円まで所得税と住民税が控除される制度です。
制度の適用を受ける条件の一例を紹介します。

  • 相続人が同居していない
  • 建物が1981年より前の旧耐震基準である
  • 建物を解体して土地を更地で売る
  • 譲渡価格が1億円以下

空き家である実家を兄弟姉妹で相続した場合、この制度を利用すれば、それぞれが控除を受けられるというメリットもあります。

「小規模宅地等の特例」が使えるケース

相続の直前まで子が親と同居していた場合は「小規模宅地等の特例」の適用を検討しましょう。

「小規模宅地等の特例」とは、親の自宅を含む土地に関して330㎡を上限として相続税の評価額が80%減税される制度で、大きな減税となる可能性もあります。

基本的には相続の直前まで「子が親と同居していること」が条件です。
しかし同居していなかった場合でも「親に配偶者や同居の親族がおらず、子が過去3年間に自身や配偶者が所有する家に住んだことがない」という条件を満たせば、適用されることもあります。

「取得費加算の特例」との兼ね合いに注意

「小規模宅地の特例」を適用する際、注意したいのが「取得費加算の特例」との兼ね合いです。
「取得費加算の特例」は、譲渡所得を計算する際に相続税の一部を取得費(購入価格)として加算することで、譲渡所得を減らせる制度です。

課税金額の軽減を図ることができる特例ですが、小規模宅地等の特例を使って相続税を減らした場合、売却時に譲渡所得税が増える可能性があります。

「小規模宅地等の特例」と「取得費加算の特例」のどちらを利用するべきかは、事前に試算しておくと決めやすいでしょう。

相続する前に売却した場合

相続する前に実家を売却した際は「買ったときよりも高く売れるかどうか」がポイントになります。
購入価格と売却価格の差によって、適用可能な制度や課税の計算方法が異なります。

買ったときよりも高く売る場合

実家に住んでいる親が自分で自宅を売る場合、売却によって出た利益(譲渡所得)に対して所得税と住民税がかかります。

譲渡所得に対しての課税は、給与などの所得と分けた税率で計算されます。
購入したときの価格よりも高く売却する際の税率は、家の所有期間(売却する年の1月1日付けでの所有期間)によって異なります。

所有期間 所得税率 住民税率
短期譲渡所得 5年以下 30.63% 9%
長期譲渡所得 5年超 15.315% 5%

(引用元:国税庁ホームページ)※上記税率には復興特別所得税が合算されています。

所有期間が10年を超える場合は、譲渡所得の6,000万円以下の部分に軽減税率が適用されます。

所有期間 課税譲渡所得額 所得税率 住民税率
10年超所有軽減税率の特例 10年超 6000万円以下の部分 10.21% 4%
6,000万円超を超える部分 15.315% 5%

(引用元:国税庁ホームページ)※上記税率には復興特別所得税が合算されています。

最低でも14.21%の税率がかかりますが、親が住んでいる自宅であれば「3,000万円特別控除」が利用可能です。
譲渡所得から3,000万円を差し引いた分のみ課税対象とされる制度で、住まなくなってからでも3年目の年末までに売却すれば控除対象になります。

買ったときよりも安く売る場合

親の自宅を購入した時よりも安い価格で売る場合、譲渡損失が発生します。
譲渡損失は売却した年の他の所得と損益通算(相殺)し、所得税や住民税を減らすことが可能です。

売却した実家の所有期間が5年以上など、一定の条件を満たすことで「住宅譲渡損失の繰越控除」も利用できます。

この制度では売却した翌年から最長3年間の間、譲渡損失とほかの所得を繰り越せるため、条件次第では4年分の所得税と住民税を減らすことも可能です。
ただし年度によって所得税の計算式が異なるため、検討する際は不動産の専門家に相談してみましょう。

損益通算と繰越控除について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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売却金を現金で持っていると相続税に影響

実家を売却した際、購入金額より売却金額が高くても安くても、住宅ローン残債がなければと手元に資金が残ります。

売却金を現金で相続する場合は、相続税が発生します。
老人ホームの入居資金や自宅の買い替えの資金にするのであれば、現金での管理が必要になります。
不動産相続は相続税評価額が圧縮できる可能性がありますが、現金は相続財産としての評価が不利になることも頭に入れておきましょう。

売却時にかかるその他の税金は?

不動産を売却する際には、譲渡所得税・住民税のほかに「印紙税」「登録免許税」がかかります。

不動産の売買契約書に貼る「収入印紙」の代金を印紙税といい、不動産の売却価格に応じて高くなります。
登録免許税とは、不動産登記に設定された抵当権の抹消にかかる費用です。
売却時に住宅ローンの残債がある場合は、ローンの完済と同時に抵当権を抹消します。

不動産売却にかかるその他の税金や節税について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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実家の売却で後悔しないために知っておきたいこと

思い出の詰まった実家は、住む人がいなくなっても「寂しくて手放せない」という方もいるのではないでしょうか?
実家の売却で後悔しないためにも、売却以外の選択肢をチェックしましょう。

住む人がいなくなった実家には、売却して手放す以外にも次のような選択肢があります。

リフォーム・リノベーションをして実家に引っ越す

現在住んでいる自宅よりも実家のほうが「立地がよい」「土地勘があり住みやすい」などメリットが感じられる場合は、思いきって引っ越してみるのはいかがでしょうか?

ライフスタイルに合わせたリフォーム・リノベーションをすれば、古くなった実家も快適に生まれ変わるでしょう。

実家を取り壊して新しく家を建てる

愛着のある建物はなくなってしまいますが、住み慣れた場所に新しいマイホームを建てるのもひとつの方法です。

実家を賃貸に出す

実家の立地条件がよく、設備の老朽化も進んでいない場合は賃貸に出すのもいいでしょう。

実家が「空き家」になると、手入れや管理が必要となります。
ご自身や兄弟が遠方で暮らしている場合、管理自体が負担になることも少なくありません。
賃貸として大切に住んでくれる借り手が見つかれば、実家を手放すこともなくなるでしょう。

まとめ

実家の相続と売却は、どちらを先に行うかによって適用される特例や控除が異なります。
税制や特例制度は日々更新されていくので、最新の情報を知っておく必要もあります。

複雑な税制を調べて、実家を相続してから売るか、売ってから相続するかを自分で判断するのは難しいかもしれません。

相続を含む不動産の売却を検討する場合は、税制にも精通している不動産会社に相談しましょう。

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