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【2022年最新】住宅ローン控除はいつまで?税制改正により適用できる期間が4年間延長に!

住宅ローン控除は、令和4年(2022年)の税制改正で利用できる期限が延長されました。
住宅ローン控除とは、消費税増税にともなう税負担を軽減する制度です。
所得税からの控除が受けられるため、マイホーム購入者にとってメリットの大きな減税制度といえます。そのため「いつまで控除が受けられるの?」「いつまでに申請が必要?」と気になる点も多いでしょう。

本記事では住宅ローン控除の改正点も含め、わかりやすく解説します。

遠鉄の不動産・浜松ブロック長 江間 和彦(えま かずひこ)


宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士

目次

住宅ローン控除が受けられるのはいつまで?

住宅ローン控除 いつまで

2021年をもって終了する予定だった住宅ローン控除ですが、2022年の税制改正により、住宅ローン控除を利用できる期間が2025年まで4年間延長されることになりました。

住宅ローン控除を受けられる期間は「10年または13年」と改正前と同じですが、それぞれの要件が異なります。

住宅ローン控除が延長された背景

住宅ローン控除が延長された主な背景は、以下の通りです。

  • ​​新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ経済の回復
  • 2050年カーボンニュートラルに向けた対応

新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ経済の回復

新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、国内の経済活動が制限されただけでなくインバウンド需要も失いました。
そのため日本経済は大きな打撃を受け、収入が減少した人も少なくありませんでした。

そのような状況で住宅ローン控除を予定通りに終了させてしまうと、マイホーム取得の負担が増えることで需要が減少し、日本経済がさらに低迷しかねません。

そこでマイホームの需要を喚起して日本経済を下支えするために、住宅ローン控除は4年間延長されることになりました。

2050年カーボンニュートラルに向けた対応

2050年カーボンニュートラルとは、2050年までに二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする取り組みのことです。

カーボンニュートラルの目標を達成するためには、温室効果ガスの排出を削減する必要があります。
そのためには温室効果ガスの排出量が抑えられる省エネ住宅や、太陽光発電設備が設置された住宅を普及させていかなければなりません。

そこで2022年の住宅ローン控除の改正では、省エネ基準に適合した住宅を購入した場合、制度の対象となる借入限度額が拡充されるようになりました。

住宅ローン控除を受けるためにはいつまでに契約・入居が必要?

住宅ローン控除を受けるためには、取得したマイホームに2025年末までに入居しなければなりません。

不動産の取引では、売買契約を結んでから入居するまで数週間〜数か月ほどかかるのが一般的です。
たとえ2025年末までにマイホームの売買契約を結べたとしても、入居が2026年1月1日以降になってしまうと、住宅ローン控除は受けられなくなります。

住宅ローン控除を受ける場合は、遅くとも2025年末までに入居ができるように、不動産会社とも相談のうえスケジュールを調整することが大切です。

ここからは控除期間や控除率など、2022年の税制改正によって変更となったポイントを詳しく解説します。

住宅ローン控除の控除期間

これまで住宅ローン控除が受けられる期間は、原則「10年」であり、特例措置が適用されたときのみ13年に延長されました。
特例措置が適用されるのは、マイホームの契約を結んだ日や入居した日などが所定の要件を満たしたときです。

改正後の住宅ローン控除では、以下のとおり住宅の種類によって控除期間が決まります。

  • 新築住宅・買取再販の中古住宅(要件を満たしたもの):13年
  • 中古住宅(既存住宅):10年

改正後は、新築住宅と不動産会社が買い取って再販した中古住宅(要件を満たしたもの)については、控除期間が13年となります。
ただし2024年以降に入居する場合、住宅が所定の省エネ基準に適合していなければ、控除期間は10年です。

買取再販以外の中古住宅については、省エネ性能に関わらず控除期間は10年です。
例えば不動産会社に仲介によって売主が個人である中古住宅を購入したときは、住宅ローン控除の控除期間は10年となります。

住宅ローン控除が受けられる要件

住宅ローン控除が受けられる要件については、緩和された部分もあれば厳しくなった部分もあります。

築年数の変更点

築年数の要件については、改正前はマンションをはじめとした耐火住宅は25年以内、木造の戸建て住宅などの非耐火住宅は20年以内でした。
改正後は、昭和57年以降に建築されており新耐震基準に適合していれば住宅ローン控除の対象となり、築年数の要件が緩和されています。

合計所得金額の変更点

改正前は合計所得金額が3,000万円以下であれば、住宅ローン控除を利用できました。

しかし改正後は、合計所得金額が2,000万円以下でなければ利用できなくなっています。

床面積の変更点

住宅ローン控除の対象となるのは、床面積50㎡以上の物件です。
ただし所得1,000万円以下の方が、2023年までに建築確認が済んだ新築住宅を取得したときは、床面積40㎡以上で住宅ローン控除の対象となります。

住宅ローン控除を受けるための条件については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

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住宅ローン控除 条件

住宅ローン控除の控除額の計算方法

2021年までの住宅ローン控除制度では、毎年末の住宅ローンの残高の1%(または建物の取得価格(上限4,000万円)×2%÷3)が控除額とされていました。
しかし2022年の改正に伴い、住宅ローン控除の控除額は「年末時点の借入残高×0.7%」に引き下げられています。

例えば年末時点の住宅ローン借入残高が2,500万円であった場合、控除額は2,500万円×0.7%=17.5万円です。
ただしその他の住宅に該当する中古住宅や、2023年まで建築確認された新築住宅などは、借入限度額が2,000万円であるため、控除額は2,000万円×0.7%=14万円となります。

控除額は、先に所得税から控除され、残りについては一定金額を限度に住民税から控除されます。

住民税から控除される金額は、これまで「所得税の課税所得の7%」または「136,500円」が上限でした。
それが改正後は「所得税の課税所得の5%」または「97,500円」に減額されています。

控除率が引き下げられた背景

2022年4月から控除額が毎年末の住宅ローンの残高の0.7%に引き下げられたのは、低金利によって生じている「逆ざや」問題を解消するためです。

「逆ざや」とは?
1%を下回る金利で住宅ローンを組んだ場合、それよりも住宅ローン控除の控除率が高いため、支払い利息よりも還付金のほうが多くなってしまう問題のことです。

2022年2月現在、金利が0.7%を下回る住宅ローンは多数あるため、改正によって逆ざやが完全に解消されたわけではありません。
とはいえ控除率が0.3%引き下げられたことで、逆ざやはある程度抑制されています。

なお改正前の住宅ローン控除をすでに受けている方の控除率は「毎年末の住宅ローンの残高の1%」のままになります。

住宅ローン控除の控除額の上限

住宅ローン控除 いつまで

改正前の住宅ローン控除の控除額は、基本的に「毎年40万円」が上限でした。
これは制度の改正前の控除率が1%であり、対象となる借入額が最大4,000万円であったためです。

また売主が個人である中古住宅の場合、制度の対象となる借入れ額は2,000万円、長期優良住宅や低炭素住宅として認定されている住宅は5,000万円が上限でした。

住宅ローン控除が改正されたことで、控除率や対象となる借入限度額も変更されました。
控除額を計算する前に、2022年の改正内容について理解しておきましょう。

住宅ローン控除の対象となる借入限度額と控除額の上限

改正後の住宅ローン控除では、制度の対象となる借入限度額が住宅の種類や入居した年に応じて細かく分けられることとなりました。

〇新築住宅・買取再販の借入限度額

2022〜2023年に入居 2024〜2025年に入居
長期優良住宅・低炭素住宅 5,000万円 4,500万円
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円
その他の住宅 3,000万円 0円※

※2023年までに新築の建築確認がされていた場合は2,000万円

〇新築住宅・買取再販の控除額の上限(1年あたりの控除上限額×控除期間)

2022〜2023年に入居 2024〜2025年に入居
長期優良住宅・低炭素住宅 35.0万円×13年=455.0万円 31.5万円×13年=409.5万円
ZEH水準省エネ住宅 31.5万円×13年=409.5万円 24.5万円×13年=318.5万円
省エネ基準適合住宅 28.0万円×13年=364.0万円 21.0万円×13年=273.0万円
その他の住宅 21.0万円×13年=273.0万円 14.0万円×10年=140.0万円※

※2023年までに新築の建築確認がされていた場合のみ

〇既存住宅の借入限度額

2022〜2025年に入居
長期優良住宅・低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
3,000万円
その他の住宅 2,000万円

〇既存住宅の控除額の上限(1年あたりの控除上限額×控除期間)

2022〜2025年に入居
長期優良住宅・低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
21万円×10年=210万円
その他の住宅 14万円×10年=140万円

改正後は住宅の環境性能が高いほど控除額の上限も高くなる

改正後は環境性能が高い住宅ほど、住宅ローン控除の控除額の上限が高くなります。
環境が高い住宅とは、以下のとおりです。

長期優良住宅 省エネ性能やバリアフリー性能、耐震性能などが一定の基準を満たす高性能な住宅
低炭素住宅 二酸化炭素の排出を抑える対策が施された住宅
ZEH水準省エネ住宅

省エネ基準適合住宅

断熱性能や一次エネルギー消費量が一定の基準を満たす住宅

長期優良住宅については、以下の記事をご確認ください。

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12月入居のほうが住宅ローン控除額が多くなるって本当?

住宅ローン控除の控除額は、年末時点の住宅ローン残高をもとに計算します。
そのためマイホームを取得した年の12月に入居すると、翌年1月に入居したときよりも控除の対象となる借入額は多くなります。

ただし「所得税+控除対象の住民税」を超える減税は受けられないため、12月に入居したとしても控除額が必ずしも増えるわけではありません。

住宅ローン控除はいつまでに申請手続きが必要?

住宅ローン控除 いつまで

住宅ローン控除を受けるためには、提出書類をそろえて自分で申請する必要があります。
申請方法は初年度と2年目以降、また自営業かサラリーマンかによっても異なります。

【初年度】確定申告の期日まで

初年度の住宅ローン控除の申請は、入居した翌年の「確定申告」で行います。

普段は確定申告をしていないサラリーマンでも、住宅ローン控除を受ける場合は確定申告が必要です。
確定申告の時期は、通常毎年2月中旬~3月中旬になります。確定申告の期日の詳細は、国税庁HPで最新情報を確認しましょう。

住宅ローン控除のための確定申告については、こちらの記事もご覧ください。

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【2年目以降】確定申告・年末調整の期日まで

2年目以降の申請方法と申請期日は、自営業か給与所得のみのサラリーマンかによって異なります。

毎年確定申告を行う自営業者など

毎年確定申告をしている自営業の人などは、2年目以降も確定申告が必要です。
またサラリーマンでも「年間の収入が2,000万円以上」「給与所得や退職金以外の所得が年間20万円以上」などの場合は、確定申告を行います。
確定申告の期間は、初年度と同じく通常は2月中旬~3月中旬です。

給与所得のみのサラリーマン

所得が給与所得のみで、かつ確定申告を行う条件に当てはまらないサラリーマンは、年末調整にて住宅ローン控除を受けられます。
年末調整の税務署への提出期日は1月31日です。

しかし勤め先の会社での社内処理もあるため、一般的には11月中旬~12月中旬が社内への書類提出期日とされています。
年末調整の社内締め切りについては、事前に担当者に確認しておくといいでしょう。

住宅ローン控除のための年末調整については、こちらの記事もご覧ください。

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申請期限を過ぎてしまった場合の対処法

住宅ローン控除は、上記の期日までに必要な手続きを済ませなければ受けられません。
ただし申請期限を過ぎてしまっても、申告可能な場合があります。

毎年確定申告を行う自営業者など

毎年確定申告が必要な人が、住宅ローン控除の申請を忘れた場合は「更正の請求」ができる可能性があります。

ただし更正の請求とは、申告に誤りがあり税金を多く収めてしまった際の還付手続きです。
住宅ローン控除の漏れを更正の請求で認めてもらえるかどうかは、税務署の判断になります。
まずは管轄の税務署に相談してみましょう。

給与所得のみのサラリーマン

サラリーマンが初年度の確定申告を忘れた場合は、期日を過ぎていても「還付申告」で手続きできます。

還付申告とは、確定申告の義務がない人が税金を多く払ってしまった場合に行う手続きです。
住宅ローン控除を受けるマイホームに居住した年の翌年1月1日から5年間は請求ができます。

まとめ

令和4年度の税制改正により、住宅ローン控除は4年間延長されて2025年の入居まで適用されるようになりました。

改正後の住宅ローン控除では、新築住宅または買取再販の中古住宅を購入した場合、住宅ローン控除の期間が基本的に13年となります。
売主が個人である中古住宅や、2024年以降に入居した新築住宅・買取再販住宅の控除期間は10年です。

住宅ローン控除の対象となる借入限度額は、住宅環境性能や入居した年などで異なります。

一方で住宅ローン控除を受けるためには、毎年手続きが必要である点は変わりません。
初年度は確定申告、2年目以降は確定申告または年末調整で手続きを行いましょう。
それぞれの手続きの期日を守り、忘れずに申請することが節税に繋がります。
万が一申請を忘れてしまった場合は、更正の請求や還付申告が可能であるか、管轄の税務署に確認することをおすすめします。
(執筆者:品木彰)

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